ハンドメイドで稼げるジャンルは?残る利益から考える選び方
「稼げるジャンルはどれですか」と聞かれることがよくあります。
ただ、この問いは売値だけを見ていると答えが出ません。
同じ3,000円の作品でも、残る金額は作るものによってまるで変わるからです。
この記事では、2026年10月17日時点でminneの8カテゴリ(アクセサリー/バッグ・財布/ファッション・衣類/インテリア・雑貨/文具・カード/ベビー・キッズ/人形・ぬいぐるみ/食べ物)に掲載されていた作品1,993件の表示価格を、編集部で集計しました。
そのうえで、価格ではなく「1時間あたりに残る額」でジャンルを並べ直します。
手数料は各社の公式サイトの記載を根拠にしています。
集計したのは販売中の作品の掲載価格です。実際に売れた価格ではないため、「この値段なら売れる」という意味ではありません。

稼げるジャンルは売値では決まらない
最初に結論です。
判断に使うのは売値ではなく、1時間あたりに手元へ残る金額です。
この数字が分かると、ジャンル選びはほぼ自動的に決まります。
まずカテゴリ別の掲載価格を並べる
2026年10月17日時点でminneの8カテゴリ(アクセサリー/バッグ・財布/ファッション・衣類/インテリア・雑貨/文具・カード/ベビー・キッズ/人形・ぬいぐるみ/食べ物)に掲載されていた作品1,993件の表示価格を、編集部で集計しました。
| カテゴリ | 件数 | 掲載価格の中央値 | 1,000円未満の割合 | 10,000円以上の割合 |
|---|---|---|---|---|
| バッグ・財布 | 247件 | 7,400円 | 2.8% | 32.4% |
| インテリア・雑貨 | 252件 | 5,800円 | 4.4% | 34.5% |
| ファッション・衣類 | 255件 | 5,500円 | 0.8% | 24.7% |
| 人形・ぬいぐるみ | 248件 | 4,200円 | 3.6% | 18.5% |
| アクセサリー | 251件 | 3,400円 | 9.6% | 6.4% |
| ベビー・キッズ | 249件 | 3,000円 | 11.2% | 12.9% |
| 食べ物 | 248件 | 2,560円 | 13.3% | 0.8% |
| 文具・カード | 243件 | 1,800円 | 30.5% | 4.9% |
全体の中央値は3,700円で、いちばん高いバッグ・財布と、いちばん低い文具・カードの差は約4.1倍でした。
集計したのは販売中の作品の掲載価格です。実際に売れた価格ではないため、「この値段なら売れる」という意味ではありません。
単価が高いカテゴリは、制作時間も長い
バッグ・財布の中央値は7,400円です。
ただしバッグ1点を仕上げるには、裁断から縫製まで数時間かかります。
一方でアクセサリーの中央値は3,400円ですが、同じ数時間で複数作れることがあります。
単価の差は、そのまま利益の差にはなりません。
だから見るのは「時間あたりに残る額」
売値から手数料、送料と梱包材、材料費を引いた残りを、制作時間で割ります。
この数字で並べ直すと、順位は掲載価格の順位と一致しません。
計算の手順はこのあとで具体的に出します。
利益が残るかを決める4つの数字
ジャンルを比べるときに見る数字は4つです。
どれか1つが極端に悪いと、売値が高くても残りません。
1. 原価率(材料費が売値の何割か)
レジンや布のように材料が安いものは、原価率を低く抑えられます。
一方で天然石や革は、材料費そのものが高くなります。
原価率が5割を超えると、手数料と送料を引いた後にほとんど残りません。
目安として3割以内に収まるかを確認します。
2. 制作時間(同じ時間で何個できるか)
1個あたりの時間ではなく、まとめて作ったときの1個あたりで測ります。
同じ部品を10個分まとめて加工すると、1個あたりの時間は大きく下がります。
量産できる工程があるジャンルは、時間あたりの金額が伸びます。
一点ものは単価が上がる代わりに、この短縮が効きません。
3. 送料の比率
送料にも販売手数料がかかるため、大きく重い作品は不利になります。
小さく軽い作品は、送料を数百円に抑えられます。
売値1,000円で送料300円なら、売値の3割が送料です。
売値5,000円で送料500円なら1割で済みます。
4. リピートが起きるか
消耗するもの、季節で買い替えるものは再購入が起きます。
一度買えば長く使うものは、新しいお客さまを探し続けることになります。
リピートがあるジャンルは、集客の負担が軽くなります。
時間あたりに残る額を計算する
実際に計算してみます。
販売手数料を10%、送料と梱包材を300円、材料費を売値の30%として置いた例です。
| 売値 | 手数料(約10%) | 送料・梱包 | 材料費(30%想定) | 残る額 | 2時間で1個なら時間あたり |
|---|---|---|---|---|---|
| 1,000円 | 約100円 | 300円 | 300円 | 約300円 | 約150円 |
| 3,000円 | 約300円 | 300円 | 900円 | 約1,500円 | 約750円 |
| 5,000円 | 約500円 | 300円 | 1,500円 | 約2,700円 | 約1,350円 |
| 10,000円 | 約1,000円 | 300円 | 3,000円 | 約5,700円 | 約2,850円 |
材料費の割合と制作時間は作品ごとに違うので、形を見るための例として扱ってください。
売値が3倍になると、残る額は3倍より増える
1,000円の作品で残るのは約300円、3,000円では約1,500円です。
売値は3倍ですが、残る額は5倍になっています。
送料と梱包材が固定でかかるため、売値が低いほど比率で削られるからです。
ここが「安いものをたくさん売っても残らない」と言われる理由です。
1,000円未満の帯は点数の設計が必須
全体で1,000円未満は9.4%、文具・カードでは30.5%を占めます。
この帯で成り立たせるには、まとめ買いやセット販売を前提に組みます。
1点ずつ発送する形のままでは、送料で利益が消えます。
量産できる工程があるかを先に確かめる
同じ作業を10回続けられる工程があるジャンルは、時間あたりが伸びます。
逆に毎回デザインから考えるジャンルは、単価を上げないと合いません。
自分の作り方がどちらに寄っているかで、狙う価格帯が決まります。
カテゴリごとに「稼ぎ方の型」が違う
価格データを作り手側の都合に置き換えると、3つの型に分かれます。
どれが正解ということではなく、生活の形に合うほうを選ぶ話です。
単価型(バッグ・財布、インテリア・雑貨)
バッグ・財布は中央値7,400円、10,000円以上が32.4%です。
インテリア・雑貨も10,000円以上が34.5%あります。
点数を増やさずに売上が立つ代わりに、1点の時間が長くなります。
まとまった作業時間を取れる方に向く型です。
回転型(アクセサリー、文具・カード)
アクセサリーは中央値3,400円で、10,000円以上は6.4%にとどまります。
文具・カードは1,000円未満が30.5%です。
細切れの時間でも進められる代わりに、点数とセット設計が必要になります。
送料を小さく抑えられる点は有利に働きます。
季節型(食べ物、ベビー・キッズ)
食べ物は10,000円以上が0.8%で、単価の天井がはっきりしています。
ベビー・キッズは中央値3,000円でした。
出産祝いや入園準備のように、買われる時期が決まっているため波が出ます。
繁忙期に作りきれる量を先に決めておく必要があります。
ジャンル選びでよくある3つの誤解
相談でよく出てくる勘違いを並べます。
どれも、売値だけを見ていると起きやすいものです。
人気のジャンルが儲かるとは限らない
アクセサリーは出品数が多く、探している人も多い定番です。
ただ掲載価格の中央値は3,400円で、8カテゴリ中5番目でした。
人気があることと、単価が取れることは別の話です。
競合が多いジャンルは、価格でも比べられやすくなります。
材料費が安いことは、利益率の高さと同じではない
材料費が安くても、制作時間が長ければ時間あたりは下がります。
100円の材料で2時間かかる作品と、1,000円の材料で30分の作品では後者が残ります。
原価率と制作時間は、必ずセットで見てください。
ニッチにすれば売れるわけではない
競合が少ないジャンルは、探している人も少ないことがあります。
検索されない言葉で出品すると、見つけてもらえません。
見られていないときの確認手順は売れない原因の記事にまとめています。
販売手数料はジャンルで変わらない
どのジャンルを選んでも、販売手数料の率は同じです。
2026年10月時点の各社公式サイトの記載をまとめました。
| サイト | 販売手数料 | 手数料の対象 | そのほか |
|---|---|---|---|
| minne | 10.659%(税込) | 作品価格+購入オプション+送料 | 初期費用・月額費用は0円 |
| Creema | 10.67%(税込) | 決済総額(作品代金・オプション・ラッピング・送料) | フードは15.4%。振込手数料は3万円未満200円/3万円以上275円 |
| メルカリ | 10% | 販売価格 | 振込手数料200円。最低出品価格は300円 |
minneは10.659%(税込)で、送料と購入オプションを含んだ金額が対象です(minne公式)。
Creemaは決済総額の10.67%(税込)、フードは15.4%です(Creema公式(特定商取引に関する表記))。
食べ物だけは手数料率そのものが高くなる点が、ジャンル選びで唯一効く差です。
メルカリは販売価格の10%で、振込手数料は200円です(メルカリ公式)。
売上は「集客 × セールス × サービス」の掛け算で決まる
在宅で稼ぐ力を、3つに分けて考えてみてください。
集客(見つけてもらう力)・セールス(申し込んでもらう力)・サービス(提供する力)の3つです。
この3つは足し算ではなく掛け算の関係にあります。
たとえばデザインの腕が10点でも、集客が1点、セールスが1点なら、10×1×1で結果は10点にとどまります。
逆に3つとも「脱初心者」の3点ずつなら、3×3×3で27点です。
合計点は同じ12点と9点でも、出口の数字がまるで変わります。
これはあくまで考え方を分かりやすくするための計算例で、収入が何倍になるといったことをお約束するものではありません。
ただ、伸び悩んでいる原因が「腕が足りないこと」ではなく「3つのうち2つが空いていること」である場合は、決して珍しくありません。
制作スキルをさらに磨くより、空いている2つを埋めたほうが近道になることがあります。
ジャンルを変えても、集客が1点なら結果は変わらない
「稼げるジャンルに移る」という発想で、作るものを何度も変える方がいます。
ただ閲覧数が1日数件のままなら、どのジャンルに移っても同じ結果になります。
ジャンルの検討と並行して、見てもらう経路を1つ作ってください。
何を作るかの判断材料は売れるものの記事にまとめています。
受託だけで続けるのがしんどいなら、自分の商品を持つ
受託は、納品した分だけ報酬が発生する働き方です。
手が止まれば収入も止まるので、体調や家庭の事情に左右されやすくなります。
ここを緩めるには、自分の時間ではなく、自分の商品に働いてもらう形を少しずつ混ぜていくことになります。
具体的には、これまでの受託で身についたことを教材にまとめ、少人数のオンライン講座として提供する形です。
在庫を持たないので、1人に販売しても10人に販売しても原価はほとんど変わりません。
受託で5万円を稼ぐには案件を1件納品する必要がありますが、講座にサポート期間をつけると、1件の申し込みが数か月分の売上になります。
いきなり大きな講座を作る必要はありません。
いまできることを1か月ぶんのミニ講座にまとめるところから始められます。
利益率がいちばん高いのは「作り方」を売る形
作品販売は、材料費と送料が必ずかかります。
一方で作り方を教える形は、材料費も送料もかかりません。
動画と資料を一度作れば、同じものを何人にも届けられます。
ジャンル選びの最後の選択肢として、教える側に回る道があります。
進め方はコンテンツ販売の始め方にまとめています。
ハンドメイドで稼げるジャンルに関するよくある質問
いちばん稼げるジャンルはどれですか?
ジャンル単体では決まりません。掲載価格の中央値ではバッグ・財布が7,400円で最も高い結果でしたが、1点の制作時間も長くなります。原価率・制作時間・送料の比率・リピートの4つで、自分の作り方に合うほうを選ぶ形になります。
アクセサリーは稼げないのですか?
稼げないという意味ではありません。中央値は3,400円、10,000円以上は6.4%という分布でした。単価で伸ばす型ではなく、点数と回転で組む型だと捉えると設計しやすくなります。送料を小さく抑えられる点は有利です。
原価率はどのくらいに抑えるべきですか?
目安として3割以内に収まるかを確認する方が多いです。5割を超えると、販売手数料(minneは10.659%)と送料を引いた後にほとんど残りません。ただし原価率が低くても制作時間が長ければ時間あたりは下がるので、必ずセットで見てください。
食べ物のハンドメイドは手数料が違うのですか?
Creemaではフードの成約手数料が15.4%(税込)で、作品・素材の10.67%より高く設定されています。また食品の販売には表示や衛生面の決まりがあり、販売サイトごとの条件も異なります。出品前に各サイトの規約と、保健所の案内を確認してください。
ジャンルは途中で変えてもいいですか?
変えて構いませんが、閲覧数が出ていない段階で変えると判断材料が得られません。まず見てもらう経路を作り、閲覧数が出た状態で比べると違いが分かります。いまのジャンルで何個作れるかを測ってから、次を検討する順番がおすすめです。

まとめ:売値ではなく、時間あたりに残る額で選ぶ
minne8カテゴリ1,993件の掲載価格を見ると、中央値は3,700円でした。
いちばん高いバッグ・財布といちばん低い文具・カードの差は約4.1倍です。
ただし単価の差は、そのまま利益の差にはなりません。
見るべきなのは、手数料と送料、材料費を引いた後の金額を制作時間で割った数字です。
1,000円の作品で残るのは約300円、3,000円なら約1,500円で、売値3倍に対して残りは5倍でした。
固定でかかる送料と梱包材の比率が、売値が低いほど重くなるためです。
原価率・制作時間・送料の比率・リピートの4つで、自分の生活に合う型を選んでください。
そしてジャンルを探し続ける前に、見てもらう経路を1つ作るほうが先に動きます。
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