Webデザイナーが稼げない3つの理由|実案件286件の予算から単価の上げ方
作れるようになったのに、報酬が増えない。
Webデザインでいちばん多い行き詰まりがここです。
スキル不足だと思って勉強を足しても、単価は変わらないことがあります。
この記事では、稼げない原因を単価の構造から整理します。
2026年10月17日時点でランサーズの「Webサイト制作」「ホームページ制作」「LP制作」カテゴリに公開されていた仕事468件を取得し、詳細ページに提示予算が明記されていた286件を編集部で集計しました。
そのうえで、1本の金額を上げる手順を具体的に並べます。
「やめとけと言われる理由」そのものについては別の記事でまとめています。

実際の提示予算を集計しました
まず現実の金額を確認します。
2026年10月17日時点でランサーズの「Webサイト制作」「ホームページ制作」「LP制作」カテゴリに公開されていた仕事468件を取得し、詳細ページに提示予算が明記されていた286件を編集部で集計しました。
ランサーズの提示予算は9段階の決まったレンジから選ぶ仕様なので、平均額ではなく予算帯の分布で見るのが正確です。
| 提示予算の帯 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 5,000〜10,000円 | 15件 | 5.2% |
| 5,000円以下 | 22件 | 7.7% |
| 10,000〜20,000円 | 21件 | 7.3% |
| 20,000〜50,000円 | 50件 | 17.5% |
| 50,000〜100,000円 | 106件 | 37.1% |
| 100,000〜200,000円 | 48件 | 16.8% |
| 200,000〜300,000円 | 15件 | 5.2% |
| 300,000〜500,000円 | 7件 | 2.4% |
| 500,000〜1,000,000円 | 2件 | 0.7% |
2万円以下は20.3%、最多帯は5〜10万円
2万円以下の募集は58件で20.3%でした。
最も多かったのは5万円〜10万円の帯で、106件・37.1%です。
20万円以上も24件(8.4%)ありました。
「全部が安い」のではなく、安い帯と普通の帯が同時に存在しています。
稼げていない人は、安い帯に固定されている
5万円以下の募集は108件・37.8%を占めます。
実績づくりとして最初の数件をここで受けるのは、間違っていません。
問題は、1年経っても同じ帯の案件を受け続けている場合です。
選ばれる理由が価格だけになると、値上げした瞬間に依頼が止まります。
単価が上がらない3つの型
集計と相談の内容を突き合わせると、止まり方は3つに分かれます。
どれもスキルの問題ではありません。
1. 作業を切り売りしている型
「バナー1枚いくら」「1ページいくら」で見積もっている状態です。
作業単位で売ると、比べられるのは価格と速さになります。
ここは生成AIがもっとも強い領域でもあります。
作業を売っている限り、単価は上がりにくい構造です。
2. 条件を相手任せにしている型
修正回数を決めず、納期も相手の希望のまま受けている状態です。
直しが何度も続くと、受注額は同じでも実質単価が下がります。
責めに帰すべき事由がないのに受領後にやり直させることは、フリーランス新法第5条第2項第2号で禁止されています。
条件を先に出すだけで、同じ金額でも時間あたりが変わります。
3. 新しい依頼を毎回探している型
単発の納品で終わり、次の案件をまた探し直す状態です。
探す時間は報酬になりません。
継続の条件を納品時に添えるだけで、この時間が減ります。
手数料で残る額が変わる
受注額が同じでも、どこを経由するかで手取りが変わります。
各社の公式サイトに記載されている手数料です。
| サイト | 手数料 | 対象 | そのほか |
|---|---|---|---|
| クラウドワークス | 10万円以下 20%/10万円超20万円以下 10%/20万円超 5%(タスク形式は20%) | 手数料に消費税が加算される | 振込手数料は楽天銀行100円・他行500円 |
| ランサーズ | 一律 16.5% | 契約金額(税込)に対して | 金額が小さくても率は変わらない |
| ココナラ | 22%(税込) | 販売総額に対して。20%×1.1で税込22% | ビデオチャットは27.5%の場合がある |
ランサーズは契約金額(税込)の一律16.5%(ランサーズ公式)、ココナラは22%(ココナラ公式)です。
クラウドワークスは段階制で、10万円以下の部分は20%に消費税が加わります(クラウドワークス公式)。
| 契約金額 | クラウドワークス(税込) | ランサーズ | ココナラ |
|---|---|---|---|
| 30,000円 | 6,600円(22.00%) | 4,950円(16.50%) | 6,600円(22.00%) |
| 50,000円 | 11,000円(22.00%) | 8,250円(16.50%) | 11,000円(22.00%) |
| 100,000円 | 22,000円(22.00%) | 16,500円(16.50%) | 22,000円(22.00%) |
| 200,000円 | 33,000円(16.50%) | 33,000円(16.50%) | 44,000円(22.00%) |
| 300,000円 | 38,500円(12.83%) | 49,500円(16.50%) | 66,000円(22.00%) |
| 500,000円 | 49,500円(9.90%) | 82,500円(16.50%) | 110,000円(22.00%) |
ちょうど20万円でクラウドワークスの実質率もランサーズと同じ16.50%になります。
5万円の案件を4本受けるより、20万円の案件を1本受けるほうが手数料は少なくなります。
単価を上げる4つの手順
やることは、作業の切り売りから離れることです。
上から順に試すと、効果が出やすい並びにしています。
1. 作業ではなく「結果」で見積もる
「LP1本いくら」ではなく、構成の提案から含めた見積もりにします。
誰に向けて、どの順番で見せるかを決める部分が価値になります。
20万円以上の帯の募集は24件ありましたが、ここはデザインの上手さだけで決まっていません。
申し込みや売上につながるかで判断されています。
2. 対象を絞る
「個人サロン向け」「教室向け」のように業種を絞ります。
絞ると依頼が減ると思われがちですが、逆に選ばれやすくなります。
同じ業種の実績が2件あれば、3件目はかなり通りやすくなります。
3. 条件を自分から提示する
修正回数、納期、追加作業の費用、素材の用意はどちらか。
この4つを先に書いて出します。
フリーランス新法第3条では、発注側に取引条件の明示義務があります。
出てこない場合は、自分から書面にして確認する形で構いません。
4. 継続の形を納品時に出す
公開後の更新、バナーの差し替え、月次の修正。
月額で受ける形にすると、毎月の収入が読めるようになります。
継続は半年ごとに条件を見直す前提で受けると、単価が固定されません。
月いくらを目指すなら何本必要か
目標から逆算すると、受けるべき帯が決まります。
ランサーズの一律16.5%を引いた手取りで計算しました。
| 1本の受注額 | 手数料16.5%を引いた手取り | 月10万円に必要な本数 | 月20万円に必要な本数 |
|---|---|---|---|
| 20,000円 | 16,700円 | 6本 | 12本 |
| 50,000円 | 41,750円 | 3本 | 5本 |
| 100,000円 | 83,500円 | 2本 | 3本 |
| 200,000円 | 167,000円 | 1本 | 2本 |
2万円の案件で月20万円は現実的でない
2万円の案件で月20万円を作るには12本が必要です。
1本に提案を3回出すとすれば、月36回の提案になります。
提案と制作の両方を回せる本数には限界があります。
今回の集計で2万円以下は20.3%を占めていました。
5万円以上の帯に移ると本数が一気に減る
5万円なら月20万円は5本、10万円なら3本で届きます。
最多帯が5万円〜10万円(37.1%)であることを踏まえると、この帯を取れるかが分かれ目です。
本数が減れば、1本にかけられる時間も増えて質が上がります。
生成AIとどう付き合うか
「AIに置き換わるから稼げなくなる」という話も出ます。
現時点の状況を整理します。
置き換わりやすいのは作業、残るのは判断
バナーの量産やコーディングの下書きは、ツールで形になるようになりました。
一方で、何を作るべきかを決める部分は人が担っています。
対象を絞って提案できる人は、むしろ作業が速くなって有利になります。
自分の作業にツールを入れて時間を空ける
ツールで短縮した時間を、提案と継続の設計に回します。
同じ受注額でも時間あたりが上がり、次の案件に使える時間が増えます。
ただし納品物の権利関係や、クライアントのAI利用方針は事前に確認してください。
売上は「集客 × セールス × サービス」の掛け算で決まる
在宅で稼ぐ力を、3つに分けて考えてみてください。
集客(見つけてもらう力)・セールス(申し込んでもらう力)・サービス(提供する力)の3つです。
この3つは足し算ではなく掛け算の関係にあります。
たとえばデザインの腕が10点でも、集客が1点、セールスが1点なら、10×1×1で結果は10点にとどまります。
逆に3つとも「脱初心者」の3点ずつなら、3×3×3で27点です。
合計点は同じ12点と9点でも、出口の数字がまるで変わります。
これはあくまで考え方を分かりやすくするための計算例で、収入が何倍になるといったことをお約束するものではありません。
ただ、伸び悩んでいる原因が「腕が足りないこと」ではなく「3つのうち2つが空いていること」である場合は、決して珍しくありません。
制作スキルをさらに磨くより、空いている2つを埋めたほうが近道になることがあります。
勉強を足しても単価が変わらない理由
新しいツールを覚えても、上がるのはサービスの点数だけです。
集客とセールスが1点のままなら、掛け算の結果は変わりません。
止まっているのは腕ではなく、空いている2つである場合がほとんどです。
学ぶ範囲の確認は主婦向けWebデザインスクールの比較も参考にしてください。
受託だけで続けるのがしんどいなら、自分の商品を持つ
受託は、納品した分だけ報酬が発生する働き方です。
手が止まれば収入も止まるので、体調や家庭の事情に左右されやすくなります。
ここを緩めるには、自分の時間ではなく、自分の商品に働いてもらう形を少しずつ混ぜていくことになります。
具体的には、これまでの受託で身についたことを教材にまとめ、少人数のオンライン講座として提供する形です。
在庫を持たないので、1人に販売しても10人に販売しても原価はほとんど変わりません。
受託で5万円を稼ぐには案件を1件納品する必要がありますが、講座にサポート期間をつけると、1件の申し込みが数か月分の売上になります。
いきなり大きな講座を作る必要はありません。
いまできることを1か月ぶんのミニ講座にまとめるところから始められます。
受託の経験がそのまま中身になる
ヒアリングの仕方、見積もりの出し方、修正のやり取り。
受託で覚えたことは、これから始める人がいちばん知りたい部分です。
進め方はコンテンツ販売の始め方にまとめています。
集客を「毎回がんばる」から「仕組み」に寄せる
受託を続けていると、案件が切れるたびに営業し直すことになります。
この繰り返しをやめるには、人を増やすか、仕組みを作るかのどちらかです。
家庭と両立しながら人を雇うのは現実的でない方が多いので、残るのは仕組みのほうです。
SNSで見つけてもらい、公式LINEに登録してもらって、そこから自動で案内が届くようにしておく。
この導線を一度作っておくと、営業していない時間にも問い合わせが届くようになります。
LINEは日常的に開かれるアプリなので、メールよりもメッセージが読まれやすい傾向があります。
ステップ配信を設定しておけば、登録後の案内を手作業で送る必要もなくなります。
実績の出し方で注意すること
実績を紹介する際は、クライアントの許可を取ってから出します。
広告であることを隠した投稿は規制の対象です(消費者庁)。
依頼を受けた紹介では、広告であることを明記します。
Webデザイナーが稼げないことに関するよくある質問
Webデザイナーの単価はどのくらいが普通ですか?
今回集計した286件では、最も多い帯が5万円〜10万円で37.1%でした。2万円以下は20.3%、20万円以上は8.4%です。案件の内容によって幅があるため、自分が受けている帯がどこかを確認してみてください。
スキルを増やせば単価は上がりますか?
作れるものが増えても、売り方が作業単位のままなら単価は上がりにくいです。20万円以上の帯の案件は、デザインの上手さだけで決まっていません。誰に何を届けるかの提案まで含められるかどうかが分かれ目になります。
値上げを言い出すタイミングはいつですか?
新しい案件のときと、継続契約の更新のときです。すでに進んでいる案件の途中で上げるのは難しいため、次の見積もりから変えます。継続は半年ごとに条件を見直す前提にしておくと、切り出しやすくなります。
修正が終わらない案件はどうすればいいですか?
まず修正回数と追加費用を明文化して共有します。責めに帰すべき事由がないのに受領後にやり直させることは、フリーランス新法第5条第2項第2号で禁止されています。次の契約からは、回数を先に提示する形に変えてください。
生成AIで仕事はなくなりますか?
作業の一部は置き換わりつつありますが、なくなると言い切れる段階ではありません。置き換わりやすいのは指示どおりに作る部分で、何を作るかを決める部分は人が担っています。ツールで短縮した時間を提案と継続の設計に回すほうが、現実的な備えになります。
どのサイトを使うのが有利ですか?
ランサーズは一律16.5%、ココナラは22%、クラウドワークスは段階制です。クラウドワークスは10万円以下の部分が実質22.00%で、ちょうど20万円でランサーズと同じ16.50%になります。少額の案件が多いならランサーズ、大きい案件が取れるならクラウドワークスが有利です。

まとめ:単価は腕ではなく売り方で決まる
実際の募集286件では、2万円以下が20.3%、最多帯は5〜10万円で37.1%でした。
20万円以上も8.4%あり、安い帯だけで閉じているわけではありません。
単価が止まる原因は、作業を切り売りしていること、条件を相手任せにしていること、毎回新しい依頼を探していることの3つです。
やることは、結果で見積もり、対象を絞り、条件を自分から提示し、継続の形を出すことです。
手数料も効きます。ランサーズ16.5%、ココナラ22%、クラウドワークスは20万円で16.50%でした。
5万円を4本より、20万円を1本のほうが残ります。
勉強を足す前に、売り方のどこが空いているかを見てください。
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