電験三種の合格率を「例年10%前後」と説明している記事をよく見かけます。
その数字は、年1回で実施されていた時代のものです。
2022年度(令和4年度)に年2回実施へ変わってから、合格率の水準は上がりました。
電気技術者試験センターが公表している試験結果を集計すると、年1回時代(令和元〜3年度)が10.2%、年2回化後(令和4〜7年度)が14.8%です。
差は4.6ポイントあります。
この記事では、電験三種の難易度を公式データだけで確認します。
編集部のアドバイス

電験三種の難易度を語るとき、合格率の数字が記事によってバラバラなのは、どの年度を見ているかが違うからです。年2回化の前後で水準が変わっているので、「10%前後」と書いてある記事は令和3年度以前のデータだと思ってください。
電験三種の合格率は年2回化を境に水準が上がった

電気技術者試験センターが公表している年度別の結果です。
| 年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和元年度 | 41,543人 | 3,879人 | 9.3% |
| 令和2年度 | 39,010人 | 3,836人 | 9.8% |
| 令和3年度 | 37,765人 | 4,357人 | 11.5% |
| 令和4年度 | 62,571人 | 7,307人 | 11.7% |
| 令和5年度 | 52,735人 | 9,894人 | 18.8% |
| 令和6年度 | 49,963人 | 8,181人 | 16.4% |
| 令和7年度 | 48,942人 | 6,365人 | 13.0% |
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※令和4年度以降は上期と下期の合計、合格率は当サイトで算出
令和4年度から上期と下期の年2回実施になりました。
前後で区切って合計すると、水準の違いがはっきりします。
| 期間 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 年1回時代(令和元〜3年度) | 118,318人 | 12,072人 | 10.2% |
| 年2回化後(令和4〜7年度) | 214,211人 | 31,747人 | 14.8% |
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※集計は当サイトで算出
4.6ポイントの差です。
受験者数も年1回時代の1.8倍になっています。
ただし年2回化後は1人が年に2回受けられるため、受験者数の単純比較はできません。
斉藤さやか「合格率10%の難関」という説明は、いま受ける人にとっては少し厳しめの見積もりです。とはいえ14.8%でも6〜7人に1人しか受からない試験なので、易しくなったわけではありません。
電験三種の合格率は回ごとに8.3%から21.2%まで動く

年度合計だけでは見えないのが、回ごとの振れ幅です。
| 実施回 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和4年度 上期 | 33,786人 | 2,793人 | 8.3% |
| 令和4年度 下期 | 28,785人 | 4,514人 | 15.7% |
| 令和5年度 上期 | 28,168人 | 4,683人 | 16.6% |
| 令和5年度 下期 | 24,567人 | 5,211人 | 21.2% |
| 令和6年度 上期 | 25,416人 | 4,064人 | 16.0% |
| 令和6年度 下期 | 24,547人 | 4,117人 | 16.8% |
| 令和7年度 上期 | 24,766人 | 3,201人 | 12.9% |
| 令和7年度 下期 | 24,176人 | 3,164人 | 13.1% |
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※合格率は当サイトで算出
最低は令和4年度上期の8.3%、最高は令和5年度下期の21.2%です。
その差は12.9ポイントあります。
年2回化の直後は上期と下期で大きく開きましたが、令和6年度以降は16%台、令和7年度は13%台で落ち着いてきています。
直近2回は12.9%と13.1%でほぼ同じ水準です。
合格率が回で動くのは、合格基準の決まり方にも理由があります。
電気技術者試験センターは令和7年度下期について、合格基準は試験委員会で決定した基準により「各科目原則60点」としています。
「原則」という言葉が入っているとおり、回によって調整される余地があります。
電験三種の難易度は4科目を一度に揃える必要がない

電験三種を語るうえで外せないのが科目別合格制です。
試験は理論・電力・機械・法規の4科目で、一度に全科目そろえる必要はありません。
電気技術者試験センターは「科目別合格制なので有効期限の3年間を使って勉強する方法も採れます」と説明しています。
年2回化と3年間の有効期限を組み合わせると、計算が変わります。
| 条件 | 受験できる回数 |
|---|---|
| 年1回時代の3年間 | 3回 |
| 年2回化後の3年間 | 6回 |
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※回数は当サイトで算出
同じ3年間でも、挑戦できる回数が2倍になりました。
合格率が上がった背景には、この制度変更があると考えられます。
ただし理由は公表されていません。
科目合格者の数字も公表されています。
| 年度 | 科目合格者 |
|---|---|
| 令和元年度 | 13,318人 |
| 令和3年度 | 12,278人 |
| 令和5年度(上期+下期) | 18,013人 |
| 令和7年度(上期+下期) | 13,539人 |
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※年度合計は当サイトで算出
4科目合格者を除いた人数です。
令和7年度下期の科目合格率は27.6%でした。
4科目そろえた人は13.1%ですが、1科目以上通った人まで含めると4割を超えます。
科目をどう分けて攻めるかが決まったら、次は教材をどうするかです。
電験三種の通信講座を料金とサポートで比較で、料金とサポート内容を確認できます。
電験三種の科目別合格者数は理論が最多
どの科目が難しいかは、合格者数から読み取れます。
令和7年度下期の科目別合格者数です。
| 科目 | 合格者 |
|---|---|
| 理論 | 4,077人 |
| 法規 | 3,472人 |
| 電力 | 3,295人 |
| 機械 | 3,273人 |
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最多は理論の4,077人、最少は機械の3,273人です。
差は804人あります。
「理論が最も難しい」と説明されることが多い科目ですが、合格者数で見ると理論がいちばん多くなっています。
ただしこれは合格者数であって合格率ではありません。
科目ごとの受験者数は公表されていないため、この数字から科目別の合格率を出すことはできません。
科目合格制があるので、すでに理論だけ合格済みの人は理論を受けません。
つまり科目ごとに受験者の構成が違い、単純な難易度比較には使えないということです。
斉藤さやか「理論がいちばん難しい」という説明はよく見かけますが、公式が科目別の受験者数を出していない以上、根拠のある比較はできません。自分が苦手な科目から片付ける、という考え方のほうが実務的だと思います。
電験三種はCBTと筆記のどちらでも受けられる
令和7年度下期の受験者24,176人の内訳も公表されています。
| 方式 | 受験者 | 比率 |
|---|---|---|
| CBT方式 | 9,516人 | 39.4% |
| 筆記方式 | 14,660人 | 60.6% |
| 合計 | 24,176人 | 100% |
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※比率は当サイトで算出
CBT方式が4割弱です。
CBT方式は期間内から日時と会場を選べます。
筆記方式は決まった1日に受けます。
令和7年度下期は、CBT方式が令和8年2月5日から3月1日まで、筆記方式が3月22日でした。
合格基準は方式によらず各科目原則60点で、筆記方式については「100点満点の理論科目60点以上、電力科目60点以上、機械科目60点以上、及び法規科目60点以上」と明記されています。
なおCBT方式では、科目の合否結果が申込マイページに先に表示されます。
電験三種は申し込んだ3割が受験していない
合格率とは別に、受験率も公表されています。
| 年度 | 期 | 受験申込者 | 受験者 | 受験率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 上期 | 36,978人 | 28,168人 | 76.2% |
| 令和5年度 | 下期 | 33,832人 | 24,567人 | 72.6% |
| 令和6年度 | 上期 | 32,683人 | 25,416人 | 77.8% |
| 令和6年度 | 下期 | 33,945人 | 24,547人 | 72.3% |
| 令和7年度 | 上期 | 32,337人 | 24,766人 | 76.6% |
| 令和7年度 | 下期 | 34,214人 | 24,176人 | 70.7% |
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※受験率は当サイトで算出
70%台前半から後半で推移しています。
申し込んだ人のおよそ4人に1人は受けに来ていません。
受験手数料はインターネット申込で7,700円(非課税)です。
払ったうえで欠席しているということになります。
なお上期のほうが受験率が高く、下期のほうが低い傾向が3年続いています。
上期は申込から試験まで約2か月ありますが、下期は申込が11月で筆記が翌年3月と間隔が空きます。
期間が長いぶん、途中で準備が続かなくなる人が出ていると考えられます。
ただし理由は公表されていません。
電験三種の難易度に関するよくある質問
電験三種の合格率は何%ですか
年2回実施になった令和4年度から令和7年度までの合計で14.8%です。
受験者214,211人に対して合格者31,747人でした(当サイトで算出)。
年1回だった令和元〜3年度は10.2%で、4.6ポイント上がっています。
電験三種の合格率はなぜ上がったのですか
理由は公表されていません。
ただし令和4年度から年2回実施になり、科目別合格制の有効期限3年間のあいだに受けられる回数が3回から6回に増えたことは事実です。
電験三種で一番難しい科目はどれですか
公式が科目別の受験者数を公表していないため、科目別の合格率は計算できません。
令和7年度下期の科目別合格者数は理論4,077人・法規3,472人・電力3,295人・機械3,273人で、機械が最も少なくなっています。
ただし科目合格制があるため受験者の構成が科目で異なり、単純な比較はできません。
電験三種はCBTと筆記のどちらが有利ですか
合格基準は方式によらず各科目原則60点で、有利不利は公表されていません。
令和7年度下期の受験者24,176人のうちCBT方式は9,516人(39.4%)でした。
CBTは期間内から日時と会場を選べる点が違います。
電験三種に受験資格はありますか
ありません。
電気技術者試験センターは年齢・学歴・実務経験を問わず誰でも受験できるとしています。
第一種・第二種には一次試験と二次試験がありますが、第三種は一次試験のみです。
まとめ|電験三種の難易度は年2回化で変わった
- 年1回時代(令和元〜3年度)の合格率は10.2%
- 年2回化後(令和4〜7年度)の合格率は14.8%で4.6ポイント上がった
- 「例年10%前後」という説明は令和3年度以前のデータ
- 回ごとの合格率は8.3%(令和4年度上期)から21.2%(令和5年度下期)まで動く
- 直近の令和7年度は上期12.9%・下期13.1%で13%台に落ち着いている
- 合格基準は「各科目原則60点」で、回によって調整される余地がある
- 試験は理論・電力・機械・法規の4科目で科目別合格制、有効期限は3年間
- 年2回化により3年間で受けられる回数が3回から6回に増えた
- 令和7年度下期の科目合格率は27.6%
- 科目別合格者数は理論4,077人・法規3,472人・電力3,295人・機械3,273人
- 科目別の受験者数は非公表なので、科目別の合格率は計算できない
- 令和7年度下期の受験者はCBT方式9,516人・筆記方式14,660人でCBTが39.4%
- 受験率は70%台で、申し込んだ4人に1人は受験していない
- 受験手数料はインターネット申込で7,700円(非課税)
- 受験資格に制限はなく、第三種は一次試験のみ
試験日と申し込みの手順は電験三種の試験日で整理しています。
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