保育士試験の合格率は、令和7年度で19.4%でした。
数字だけ見ると狭き門ですが、この試験には「一度合格した科目が3年間有効」という仕組みがあります。
1回で9科目すべてを通す必要はなく、複数年かけて積み上げられる試験です。
この記事では、こども家庭庁が公表した実施状況と全国保育士養成協議会の試験概要をもとに、保育士試験の難易度を仕組みから整理します。
編集部のアドバイス

保育士試験の合格率が2割前後にとどまる最大の理由は、筆記が9科目もあり、そのすべてで6割を取らなければならないからです。逆にいえば、科目合格が3年間持ち越せることを前提に計画を立てれば、1年で全科目を狙う必要はありません。難易度の見え方は、単年で見るか3年で見るかで大きく変わります。
保育士試験の合格率は令和7年度で19.4%

まずは公式に公表されている実績です。
| 令和7年度 | 申請者数 | 合格者数 |
|---|---|---|
| 1回目試験 | 26,654人 | 5,620人 |
| 2回目試験 | 28,153人 | 5,001人 |
| 合計 | 54,807人 | 10,621人 |
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申請者数に対する合格者数の割合は19.4%です。
このほかに、幼稚園教諭免許所有者などの全科目免除で資格を取得した人が1,996人います。
なお「申請者数」は申し込んだ人の数で、欠席者も含みます。
実際に受験した人だけを分母にすれば、割合はこれより高くなります。
試験当日の自己採点の進め方と2日間の時間割は保育士試験の解答速報はいつ?にまとめています。
斉藤さやか「合格率2割」という数字だけが独り歩きしていますが、分母は申し込んだ人全員です。9科目のうち1科目でも受けなかった人、途中で受験をやめた人も含まれています。実際に最後まで受け切った人の感覚とは、少しずれた数字だと思っておいてください。
難易度の正体は「筆記9科目すべてで6割」

保育士試験は筆記試験と実技試験の2段階です。
筆記試験は9科目あり、すべてで満点の6割以上を取る必要があります。
| 実施日 | 科目 |
|---|---|
| 1日目 | 保育の心理学/保育原理/子ども家庭福祉/社会福祉 |
| 2日目 | 教育原理/社会的養護/子どもの保健/子どもの食と栄養/保育実習理論 |
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満点は「教育原理」と「社会的養護」が各50点、その他の7科目が各100点です。
合格基準は各科目で満点の6割以上と定められています。
「教育原理」と「社会的養護」は両方そろって合格
この2科目だけは扱いが特殊です。
同一の試験で両方とも6割以上を取らなければ合格になりません。
片方だけ6割を超えても、その科目単独では合格として扱われません。
この2科目が原因で、あと一歩のところで足踏みする受験者が多くいます。
実技試験は3分野から2つ選ぶ
筆記試験の全科目に合格すると、実技試験に進みます。
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| 音楽に関する技術 | 2つの課題曲を弾き歌いする |
| 造形に関する技術 | 保育の一場面を絵画で表現する(試験時間45分) |
| 言語に関する技術 | 3歳児クラスを想定して3分間のお話を実演する |
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3分野のうち必ず2分野を選択し、各分野50点満点で、選んだ2分野とも6割以上を取れば合格です。
難易度を下げている「科目合格3年間有効」の仕組み
保育士試験の難易度を考えるうえで、もっとも重要なのがこの制度です。
合格した筆記試験科目には有効期限があり、合格した年を含めて3年間有効とされています。
つまり1年目に4科目、2年目に3科目、3年目に残り2科目、という通し方ができます。
| 年 | 進め方の例 |
|---|---|
| 1年目 | 保育の心理学・保育原理・子ども家庭福祉・社会福祉に合格 |
| 2年目 | 子どもの保健・子どもの食と栄養・保育実習理論に合格 |
| 3年目 | 教育原理・社会的養護に合格し、実技試験へ |
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さらに試験は年2回(前期・後期)実施されるため、3年間で最大6回の受験機会があります。
条件を満たせば免除期間を最長5年まで延長できる
対象施設で所定の勤務をした場合、通常3年の有効期間を最長5年まで延長できる制度があります。
対象になるのは、児童福祉施設、認定こども園、幼稚園、小規模保育事業、放課後児童健全育成事業、届出済みの認可外保育施設などです。
必要な勤務期間は合格した年によって異なり、たとえば令和5年合格科目の延長には1年以上かつ1,440時間以上の勤務が必要とされています。
保育の現場で働きながら受験している人にとっては、実質的に猶予が延びる仕組みです。
保育士試験でつまずきやすい3か所
合格率の低さは、次の3点に集約されます。
1.科目数が多く、学習範囲が広い
9科目それぞれに専門用語と制度知識があり、ひとつの科目に集中していると他が手薄になります。
科目ごとの独立性が高いため、まとめて学ぶ効率化がしにくい試験です。
2.教育原理・社会的養護の同時合格
各50点満点と配点が小さいぶん、1問の重みが大きくなります。
片方だけ合格しても持ち越せないため、2科目セットで仕上げる必要があります。
3.法改正・統計データの更新
子ども家庭福祉や社会福祉の分野は、制度改正や統計の更新が出題に反映されます。
古い教材を使い続けると、正解が変わっている論点に気づけません。
学習の進め方は保育士試験は独学で合格できる?で解説しています。
受験できるかどうかの条件は保育士試験の受験資格で確認してください。
教材が整理された講座を使う場合は保育士講座の合格実績を比べるで比較できます。
斉藤さやか9科目を1年で全部通そうとして燃え尽きる方をよく見ます。最初から「今年はこの4科目」と決めて、確実に持ち越していくほうが結果的に早いことが多いです。
保育士試験の難易度に関するよくある質問
保育士試験の合格率はどのくらいですか?
令和7年度は申請者54,807人に対し合格者10,621人で、19.4%でした。
このほかに全科目免除で資格を取得した人が1,996人います。
1回で全科目合格する必要がありますか?
ありません。
合格した筆記試験科目は、合格した年を含めて3年間有効です。
試験は年2回実施されるため、3年間で最大6回の受験機会があります。
教育原理と社会的養護はなぜ難しいのですか?
この2科目は同一の試験で両方とも6割以上を取らなければ合格になりません。
各50点満点と配点が小さく、1問の重みが大きいことも難しさの理由です。
実技試験の難易度はどのくらいですか?
3分野のうち2分野を選択し、各50点満点で6割以上を取れば合格です。
筆記の全科目に合格した人だけが受験するため、母集団が絞られています。
働きながらでも合格できますか?
科目合格が3年間有効で、対象施設での勤務があれば最長5年まで延長できる制度もあります。
複数年かけて計画的に進められる設計です。
まとめ|単年で見るか3年で見るかで難易度は変わる
- 令和7年度の合格率は19.4%(申請者54,807人・合格者10,621人)
- 筆記は9科目あり、すべてで満点の6割以上が必要
- 教育原理と社会的養護は同一試験で両方6割以上でないと合格にならない
- 実技は3分野から2つ選び、各50点満点で6割以上
- 合格した筆記科目は合格年を含めて3年間有効
- 対象施設での勤務があれば免除期間を最長5年まで延長できる
「合格率2割」は1年単位で切り取った数字です。
3年間で組み立てる前提に切り替えると、必要なのは一気に詰め込む力ではなく、科目を計画的に消していく段取りになります。
保育士の通信講座おすすめ5選で、9科目をどう配分する設計になっているかを比較してみてください。


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