キャリアコンサルタント試験の難易度は、「学科7〜8割・実技6割」と紹介されることが多い資格です。
ところが直近の第32回(令和8年7月)は、学科試験の合格率が54.8%まで落ちました。
同時受験者の合格率も45.8%で、半分を下回っています。
この記事では、厚生労働省が公表している第30回から第32回の試験結果を自前で集計し、難易度の実態を確認します。
受験資格別・年代別の合格率は公表値から割り戻して算出しました。
編集部のアドバイス

「例年の合格率」で判断すると見通しを誤ります。学科は回ごとに26ポイント振れていて、実技はほとんど動きません。対策の重点配分を決めるときは、この非対称を前提にしてください。
キャリアコンサルタント試験の難易度は回ごとに大きく振れる
キャリアコンサルタント試験 直近3回の合格率
まず直近3回の実測値を並べます。
いずれも2つの試験機関(キャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会)の実施結果を合計した数字です。
| 回 | 実施時期 | 学科 | 実技 | 同時受験 |
|---|---|---|---|---|
| 第30回 | 令和7年11月 | 77.6% | 64.1% | 58.0% |
| 第31回 | 令和8年3月 | 80.6% | 64.6% | 59.8% |
| 第32回 | 令和8年7月 | 54.8% | 61.7% | 45.8% |
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振れるのは学科だけで実技は安定している
学科は80.6%から54.8%へ、わずか1回で25.8ポイント下がっています。
一方で実技は64.6%から61.7%で、2.9ポイントしか動いていません。
つまりこの試験で難易度が揺れるのは学科だけです。
実技は回によらず6割強で安定しています。
「キャリアコンサルタントは7割受かる試験」という説明は、第30回・第31回までの話だと考えたほうが安全です。
斉藤さやか合格率の数字だけを見て安心していると、第32回のような回に当たったときに対応できません。学科は範囲が決まっている分、出題の軸がずれると一気に崩れます。
キャリアコンサルタント試験は第32回で学科の平均点が合格基準を下回った
直近3回の平均点の推移
合格率が落ちた理由は、平均点にはっきり出ています。
| 回 | 学科の平均点(100点満点) | 実技の平均点(150点満点) | 論述(50点満点) | 面接(100点満点) |
|---|---|---|---|---|
| 第30回 | 75.6点 | 91.8点 | 32.1点 | 60.5点 |
| 第31回 | 76.8点 | 91.4点 | 32.5点 | 60.0点 |
| 第32回 | 69.3点 | 91.0点 | 32.4点 | 59.8点 |
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学科の合格基準は100点満点で70点以上です。
第32回の平均点69.3点は、受験者の平均が合格基準を割ったことを意味します。
第30回・第31回は平均点が基準を5〜7点上回っていました。
受験者の質ではなく学科の出題が変わった
実技の平均点は91.8点から91.0点で、ほぼ変わっていません。
論述も32.1〜32.5点の範囲で安定しています。
受験者の質が落ちたのではなく、学科の出題だけが変わったと読むのが自然です。
出題範囲は2020年度試験から変更がなく、法令基準日は各年度の4月1日時点で施行されている法令等とされています。
キャリアコンサルタントは受験資格のルートで合格率が違う
受験資格別の合格率を公表値から算出
キャリアコンサルタント試験は、3つのルートのいずれかを満たして受験します。
厚生労働省の公表値には、このルート別の受験者数と合格者数も載っています。
合格率は公表されていないため、受験者数と合格者数から算出しました。
| 回 | 試験 | 養成講習修了 | 実務経験3年 |
|---|---|---|---|
| 第30回 | 学科 | 78.6%(4,331人中3,402人) | 71.7%(679人中487人) |
| 第30回 | 実技 | 65.6%(4,489人中2,944人) | 54.0%(667人中360人) |
| 第31回 | 学科 | 80.4%(4,399人中3,536人) | 82.4%(581人中479人) |
| 第31回 | 実技 | 65.7%(4,904人中3,222人) | 56.8%(639人中363人) |
| 第32回 | 学科 | 55.4%(3,425人中1,898人) | 49.7%(378人中188人) |
| 第32回 | 実技 | 61.7%(3,940人中2,430人) | 62.0%(471人中292人) |
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差が出やすいのは学科ではなく実技
実技では、養成講習修了者が実務経験ルートを3回中2回で9〜11ポイント上回っています。
学科では第31回だけ実務経験ルートが上回りました。
差が出やすいのは実技のほうです。
実技はロールプレイと口頭試問で評価されるため、養成講習で面談の訓練を積んでいるかどうかが反映されやすいと考えられます。
なお技能検定の片方合格ルートの受験者は、第32回の学科でわずか1人でした。
実質的には養成講習修了か実務経験3年の二択です。
キャリアコンサルタント試験の合格率は年代で差が出る
第32回の年代別合格率
年代別の受験者数と合格者数も公表されています。
第32回の数字から合格率を算出しました。
| 年齢 | 学科 | 実技 |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 52.2% | 60.9% |
| 30〜39歳 | 64.8% | 66.3% |
| 40〜49歳 | 57.5% | 67.2% |
| 50〜59歳 | 51.2% | 58.3% |
| 60〜69歳 | 39.8% | 49.9% |
| 70歳以上 | 30.8% | 20.0% |
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学科は30代が64.8%で最も高く、60代は39.8%です。
この傾向は第30回・第31回でも同じで、30代が最高・60代以降が最低という並びは3回連続で変わりません。
一方で40代の実技は67.2%と、全年代で最も高い数字でした。
面談の実技は社会人経験が効く一方、学科の暗記は若い層が有利という構図です。
受験者の平均年齢は45.8歳
受験者の構成も押さえておく価値があります。
第32回の最大受験層は50〜59歳(学科1,189人)で、受験者の平均年齢は45.8歳でした。
第30回が45.6歳、第31回が45.2歳なので、平均45歳前後という層の資格です。
20代向けの資格ではありません。
斉藤さやか40代・50代で受け始める人が中心の試験です。周囲と比べて遅いのではないかと不安になる必要はありません。むしろ受験者のボリュームゾーンに自分がいます。
キャリアコンサルタント試験の合格基準には足切りがある
学科70点・実技90点に加えて区分ごとの最低点がある
合格率だけでなく、基準の形も難易度に関わります。
| 試験 | 配点 | 合格基準 |
|---|---|---|
| 学科 | 100点満点(2点×50問) | 70点以上 |
| 実技 | 150点満点(論述50点・面接100点) | 90点以上。ただし論述は配点の40%以上、かつ面接は評価区分ごとに満点の40%以上 |
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実技は合計90点を取れていても、論述が20点未満だと不合格です。
面接も評価区分のどれか1つが40%を割ると、合計点に関係なく通りません。
総合点だけを見て対策すると取りこぼす形の基準です。
学科試験は四肢択一のマークシートで50問・100分、実技の論述は記述式で50分、面接はロールプレイ15分と口頭試問5分の計20分です。
キャリアコンサルタント試験は2機関で面接の評価区分が違う
見落とされやすい論点です。
学科は共通問題だが面接の評価軸は異なる
キャリアコンサルタント試験は2つの登録試験機関が実施していて、学科試験は同一日に共通問題で行われます。
一方で面接試験の評価区分は機関によって異なります。
| 試験機関 | 面接の評価区分 |
|---|---|
| キャリアコンサルティング協議会 | 態度・展開・自己評価 |
| 日本キャリア開発協会(JCDA) | 主訴・問題の把握・具体的展開・傾聴 |
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どちらで受けても資格は同じですが、面接で何を見られるかの表現が違います。
各区分で40%以上という足切りがかかるため、どちらに申し込むかは対策の組み方に関わります。
養成講習を選ぶ段階で、どちらの機関の試験を想定した指導なのかを確認しておくと無駄がありません。
キャリアコンサルタント試験の難易度に関するよくある質問
キャリアコンサルタント試験は難しいですか?
回によって大きく変わります。
直近3回の学科合格率は54.8〜80.6%、実技は61.7〜64.6%、同時受験は45.8〜59.8%でした。
国家資格の中では合格率の高い部類ですが、第32回は受験者の平均点が合格基準を下回っており、確実に通る試験とは言えません。
独学でも合格できますか?
勉強そのものは独学で進められますが、受験するには養成講習の修了か3年以上の実務経験が必要です。
第32回の学科受験者3,804人のうち3,425人(90.0%)が養成講習修了ルートでした。
詳しくはキャリアコンサルタントは独学で取れるのかで扱っています。
学科と実技はどちらが難しいですか?
合格率で見ると実技のほうが低い回が多いものの、振れ幅は学科のほうが圧倒的に大きいです。
実技は3回とも61〜65%の範囲に収まっています。
学科は回ごとの出題で26ポイント動くため、読みにくいのは学科です。
何歳くらいの人が受けていますか?
第32回の受験者の平均年齢は45.8歳で、最大層は50〜59歳でした。
直近3回の平均年齢は45.2〜45.8歳です。
合格率が下がったのは制度が変わったからですか?
試験の出題範囲は2020年度試験から変更されていません。
第32回で落ちたのは学科の合格率と平均点だけで、実技・論述・面接の平均点はほぼ横ばいでした。
制度変更ではなく、学科の出題による変動と見るのが自然です。
まとめ:キャリアコンサルタント試験は学科の振れ幅を前提に対策する
キャリアコンサルタント試験の難易度は、直近3回の実測でこうなっています。
- 学科は54.8〜80.6%で26ポイント振れる
- 実技は61.7〜64.6%でほぼ動かない
- 同時受験は45.8〜59.8%
- 第32回は学科の平均点69.3点が合格基準70点を下回った
- 実技は養成講習修了者が実務経験ルートを9〜11ポイント上回る回が多い
- 受験者の平均年齢は45.8歳、最大層は50代
対策の重点は学科に置き、実技は養成講習で面談の訓練量を確保するのが素直な組み方です。
講習の選び方はキャリアコンサルタント養成講習の比較にまとめています。


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