税理士になるには、税理士となる資格を得たうえで、税理士名簿に登録する必要があります。
試験ルートの場合は、5科目に合格し、租税または会計に関する事務に通算2年以上従事し、日本税理士会連合会へ登録するという流れです。
ただし税理士となる資格を持つのは試験合格者だけではありません。
弁護士と公認会計士も、試験を受けずに税理士となる資格を有します。
この記事では、資格取得までのルートを公的資料で整理します。
編集部のアドバイス

税理士試験は1年で5科目そろえる試験ではありません。合格した科目は生涯有効な「科目合格制」なので、1年1科目ずつ積み上げる進め方が標準です。令和7年度に5科目へ到達したのは527人で、受験者36,320人の1.5%でした。数年計画を前提に考えるのが現実的です。
税理士となる資格を有するのは4区分

日本税理士会連合会は、税理士となる資格を有する者を次のように示しています。
| 区分 | 実務経験2年の要件 |
|---|---|
| 税理士試験に合格した者 | 必要 |
| 税理士試験を免除された者 | 必要 |
| 弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む) | 適用なし |
| 公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む) | 適用なし |
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実務経験2年の要件が課されるのは、試験合格者と試験免除者だけです。
弁護士と公認会計士は、それぞれの資格を持つことで税理士となる資格を有します。
「公認会計士になれば税理士にもなれる」と言われるのはこのためです。
ステップ1:税理士試験で5科目に合格する

試験は会計学2科目と税法9科目から出題されます。
| 区分 | 科目 | 合格に必要な数 |
|---|---|---|
| 会計学に属する科目 | 簿記論、財務諸表論 | 2科目とも必須 |
| 税法に属する科目 | 所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税 | 3科目を選択 |
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簿記論と財務諸表論は必須で、ここに税法から3科目を加えて合計5科目です。
なお消費税法と酒税法、住民税と事業税は同じ試験時間帯に実施されるため、どちらか一方しか受験できません。
合格した科目は生涯有効
税理士試験は科目合格制です。
1年でまとめて5科目を受ける必要はなく、合格した科目は次年度以降も有効です。
令和7年度の実績を見ると、その進み方がよく分かります。
| 項目 | 令和7年度 |
|---|---|
| 受験者数(実人員) | 36,320人 |
| 延受験者数 | 52,236人 |
| 5科目到達者数 | 527人 |
| 一部科目合格者数 | 7,320人 |
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受験者36,320人に対し、延受験者数は52,236人です。
1人あたり平均1.4科目を受けている計算になります。
そのうちその年に5科目そろったのは527人でした。
斉藤さやか「1年で5科目」を目指す方は少数派です。働きながらなら1年1〜2科目、学生や専念できる方でも2〜3科目というのが現実的なペースになります。
実務要件の前に、まず5科目合格という関門があります。
科目合格を積み上げる手段は税理士試験の対策講座まとめに整理しました。
ステップ2:租税または会計に関する事務に2年以上従事する
登録に必要な実務経験は、租税または会計に関する事務に従事した期間が通算して2年以上あることです。
通算でよいため、複数の勤務先の経験を合計できます。
また実務経験は試験合格の前でも後でもかまいません。
会計事務所に勤めながら試験を受けている方は、合格した時点で要件を満たしているケースが多くなります。
| タイミング | 可否 |
|---|---|
| 試験合格より前の実務経験 | 通算できる |
| 試験合格より後の実務経験 | 通算できる |
| 複数の勤務先の経験 | 通算できる |
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働きながら受験する人が多いのは、この実務経験を並行して積めるという事情もあります。
ステップ3:税理士名簿に登録する

試験合格と実務経験2年がそろったら、税理士名簿への登録を申請します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録先 | 日本税理士会連合会(税理士名簿) |
| 登録手数料 | 50,000円 |
| 根拠 | 日本税理士会連合会会則第44条 |
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登録を受けてはじめて税理士を名乗り、税理士業務を行えます。
登録手数料のほかに必要な費用については、日本税理士会連合会の案内で確認してください。
試験を受けずに科目免除を受けるルートもある
税理士試験には、大学院で学位を取得することによる試験科目の免除制度があります。
| 学位 | 制度 |
|---|---|
| 修士の学位等 | 研究の認定を受けることによる試験科目免除 |
| 博士の学位 | 学位による試験科目免除 |
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修士の学位等による研究認定を申請するには、あらかじめ一部科目に合格している必要があります。
つまり大学院に行けば全科目が免除されるわけではなく、試験と組み合わせて使う制度です。
認定の対象となる研究領域や必要な手続きは細かく定められているため、検討する場合は国税庁のQ&Aで要件を確認してください。
なお日本税理士会連合会の区分では、この免除を受けた人は「税理士試験を免除された者」に該当し、実務経験2年の要件は同じように必要です。
資格取得までにかかる費用
試験ルートで進む場合、公的に必要な費用は次のとおりです。
| 費用 | 金額 |
|---|---|
| 受験手数料(1科目) | 4,000円 |
| 受験手数料(2科目) | 5,500円 |
| 受験手数料(5科目) | 10,000円 |
| 登録手数料 | 50,000円 |
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科目合格制のため、受験手数料は複数年にわたって発生します。
たとえば5年かけて1年2科目ずつ受けた場合、受験手数料の合計は年ごとの科目数によって変わります。
これに加えて、教材費や講座費用、登録後の税理士会の会費がかかります。
どの年齢層が合格しているか
令和7年度の年齢別の結果です。
| 年齢 | 受験者数 | 合格者数合計 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 20歳以下 | 1,742人 | 617人 | 35.4% |
| 21〜25歳 | 6,752人 | 1,987人 | 29.4% |
| 26〜30歳 | 6,420人 | 1,638人 | 25.5% |
| 31〜35歳 | 5,100人 | 1,266人 | 24.8% |
| 36〜40歳 | 4,674人 | 1,000人 | 21.4% |
| 41歳以上 | 11,632人 | 1,339人 | 11.5% |
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受験者数が最も多いのは41歳以上の11,632人で、全体の32.0%を占めます。
合格率は11.5%と他の年代より低いものの、1,339人が合格しています。
年齢制限のない試験で、社会人が長期戦で取りに行く資格だということが数字に表れています。
斉藤さやか41歳以上が受験者の3分の1を占めているというのは、この試験の性格をよく表しています。合格率が低いのは実力の問題というより、働きながら1年1科目のペースで進めている人が多いためだと考えられます。
税理士になるにはに関するよくある質問
税理士になるまで何年かかりますか?
期間を示した公的データはありません。
科目合格制で合格した科目は生涯有効ですが、令和7年度に5科目へ到達したのは527人で受験者の1.5%でした。
実務経験は試験の前でもいいですか?
かまいません。
租税または会計に関する事務に従事した期間が通算して2年以上あることが要件で、試験合格の前後は問われません。
公認会計士なら税理士になれますか?
公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む)は、税理士となる資格を有します。
弁護士も同様です。
この2区分には実務経験2年の要件は適用されません。
何科目合格すればいいですか?
5科目です。
会計学に属する科目(簿記論・財務諸表論)の2科目が必須で、税法に属する科目から3科目を選択します。
大学院に行けば試験が免除されますか?
全科目が免除されるわけではありません。
修士の学位等による研究認定を申請するには、あらかじめ一部科目に合格している必要があります。
登録にはいくらかかりますか?
税理士名簿への登録手数料は50,000円です。
日本税理士会連合会会則第44条の規定によるもので、このほかの費用は同会の案内で確認してください。
まとめ|科目合格制を前提に数年計画で組む
- 税理士となる資格は試験合格者・試験免除者・弁護士・公認会計士の4区分
- 実務経験2年の要件があるのは試験合格者と試験免除者のみ
- 試験は会計学2科目(必須)+税法3科目の計5科目
- 合格した科目は生涯有効で、令和7年度の5科目到達者は527人
- 実務経験は通算でよく、試験合格の前後を問わない
- 登録先は日本税理士会連合会、登録手数料は50,000円
- 大学院の学位による科目免除は、一部科目合格が前提の制度
全体の流れが分かったら、自分が受験できるかの確認です。
税理士試験の受験資格で会計科目と税法科目の条件を確認できます。
科目ごとの合格率は税理士試験の難易度にまとめています。
公認会計士と迷っている方は税理士と公認会計士の違いをご覧ください。


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