エネルギー管理士試験の難易度を測るとき、合格率だけを見ると実態を外します。
令和8年度の第48回では、申込10,456人に対して受験は8,783人でした。
1,673人、およそ16%が受験に来ていません。
受験した人だけで見た合格率は34.4%です。
この記事では、省エネルギーセンターが公表した第48回の実績から難易度を確認します。
編集部のアドバイス

合格率だけを見て「3人に1人しか受からない難関」と判断すると、判断材料が足りません。エネルギー管理士は課目合格制度があり、1回で全課目を通す必要がありません。難しさの正体は1回の合否より、何年かけて課目を揃えるかのほうにあります。
エネルギー管理士の合格率は第48回で34.4%

まず公表された実績です。
令和8年度第48回エネルギー管理士試験は、令和8年8月2日に実施されました。
| 区分 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 |
|---|---|---|---|
| 新規受験者(課目免除受験者を含む) | 10,456人 | 8,783人 | 3,019人 |
| 旧資格者 | 19人 | 17人 | 14人 |
← 横にスクロールできます →
公表は新規受験者と旧資格者に分けて行われています。
旧資格者は17人が受験して14人が合格しており、合格率は82.4%です(当サイトで算出)。
ただし母数が17人しかないため、難易度の指標としては参考値にとどめるべき数字です。
一般に「エネルギー管理士の合格率」として語られるのは、新規受験者の側です。
新規受験者の合格率を計算すると34.4%です(当サイトで算出)。
3,019人を8,783人で割った数字です。
申込者数の10,456人を分母にすると28.9%まで下がります。
どちらを「合格率」と呼ぶかで印象が変わるので、出どころの確認が必要です。
| 分母の取り方 | 合格率 |
|---|---|
| 受験者8,783人を分母にする | 34.4% |
| 申込者10,456人を分母にする | 28.9% |
← 横にスクロールできます →
※比率は当サイトで算出
斉藤さやか一般に「合格率」として紹介されるのは受験者を分母にした数字です。申込んだのに来なかった人を含めるかどうかで5ポイント以上ずれるので、他サイトの数字と食い違ったときはここを疑ってください。
エネルギー管理士は申込の16%が受験していない

見落とされがちなのが欠席率です。
申込10,456人に対して受験は8,783人でした。
差は1,673人で、欠席率は16.0%になります(当サイトで算出)。
| 項目 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 申込者 | 10,456人 | 100% |
| 受験者 | 8,783人 | 84.0% |
| 欠席 | 1,673人 | 16.0% |
| 合格者 | 3,019人 | 申込比28.9% |
← 横にスクロールできます →
※割合は当サイトで算出
6人に1人が受験を見送っている計算です。
受験料を払って申し込んだうえで来ていないため、単なる気まぐれではないと考えられます。
仕事の都合や準備不足で見送った人が一定数いる、と読むのが自然です。
エネルギー管理士は毎年8月に1回だけ実施されます。
年1回しかない試験で申込者の16%が来ないという事実は、準備が間に合わないケースの多さを示しています。
働きながら受ける人が中心の試験である以上、学習時間の確保が最初のハードルになります。
エネルギー管理士の難易度は課目合格制度で見方が変わる
合格率34.4%という数字は、1回の試験の結果です。
ただしエネルギー管理士には課目合格制度があります。
省エネルギーセンターは試験・認定研修の双方について課目合格制度を案内しています。
第48回の集計でも、新規受験者に「課目免除受験者を含む」と明記されています。
つまり8,783人の中には、前年までに一部の課目を通している人が混ざっています。
1回で全課目を通した人だけの割合ではありません。
| 見るところ | 内容 |
|---|---|
| 公表されている合格率 | 受験者に対する合格者の割合(34.4%) |
| 受験者の内訳 | 新規受験者と課目免除受験者が合算されている |
| 公表されていないもの | 一発合格者だけを取り出した割合 |
← 横にスクロールできます →
複数年かけて課目を揃える戦略が制度上認められている試験だということです。
初年度に全課目を狙って落ちても、通った課目は残ります。
そのため「今年は2課目だけ確実に取る」といった組み方ができます。
1年で決着をつける必要がないことは、働きながら受ける人にとって現実的な選択肢になります。
斉藤さやか「一発合格率」という数字を掲げているサイトがありますが、省エネルギーセンターの公表資料にその区分はありません。出どころが公式かどうかを確認してから参考にしてください。
エネルギー管理士は試験と認定研修で難しさの質が違う
もう1つの軸が、取得ルートの違いです。
エネルギー管理士免状を取る方法は2通りあります。
| ルート | 実施時期 | 出題形式 | 入口の条件 |
|---|---|---|---|
| 国家試験 | 毎年8月 | マークシート方式 | 受験資格の制限なし |
| 認定研修 | 毎年12月 | 修了試験は記述式 | 申込時までに実務3年以上 |
← 横にスクロールできます →
試験はマークシート、認定研修の修了試験は記述式です。
形式が違うので、難しさの性質も変わります。
マークシートは選択肢から選べるぶん部分点の考え方がなく、記述式は書いて示す必要があります。
どちらが易しいかは一概に言えませんが、対策の仕方は別物になります。
また実施時期も8月と12月で離れているため、同じ年に両方を試すという使い方はできません。
一方で認定研修には「研修申込時までに実務に3年以上従事していること」という条件があります。
実務経験のない人は、そもそも認定研修を選べません。
未経験から目指す場合、選べるのは国家試験ルートだけになります。
この点はエネルギー管理士の受験資格と実務経験で詳しく整理しています。
なお試験を実施するのは一般財団法人省エネルギーセンターで、経済産業大臣が指定した試験機関です。
免状そのものは省エネ法第55条により経済産業大臣が交付します。
エネルギー管理士は合格しても免状がすぐ出るわけではない

難易度を考えるうえで、ゴールの位置も確認が必要です。
試験に合格しても、それだけでは免状は交付されません。
省エネルギーセンターは、国家試験ルートの手順をこう示しています。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 毎年8月のエネルギー管理士試験に合格する(試験はどなたでも受けられる) |
| 2 | 免状申請の際に「エネルギー使用合理化実務従事証明書」を提出する(実務1年以上) |
| 3 | 経済産業大臣に申請することにより、エネルギー管理士免状が交付される |
← 横にスクロールできます →
2段目の実務1年が、合格後に残る条件です。
ただし省エネルギーセンターは「実務に従事した時期は、合格の前後を問いません」と明記しています。
すでに該当する実務を1年以上経験していれば、合格後すぐに申請できます。
経験がなければ、合格してから1年働いて申請するという順番になります。
役割の分担もはっきりしています。
| 主体 | 役割 |
|---|---|
| 一般財団法人省エネルギーセンター | 経済産業大臣が指定した試験機関として試験を実施 |
| 経済産業大臣 | 省エネ法第55条により免状を交付 |
← 横にスクロールできます →
合格率34.4%は、このうち1段目を通過した人の割合にすぎません。
免状を手にするまでの難しさは、合格率の数字には表れていないということです。
エネルギー管理士の試験は年1回で会場も限られる
受験機会の少なさも難易度に影響します。
試験は毎年8月の年1回です。
第48回の試験地は10か所でした。
| 地域 | 試験地 |
|---|---|
| 北海道・東北 | 北海道・宮城県 |
| 関東 | 東京都 |
| 中部・北陸 | 愛知県・富山県 |
| 近畿 | 大阪府 |
| 中国・四国 | 広島県・香川県 |
| 九州・沖縄 | 福岡県・沖縄県 |
← 横にスクロールできます →
都道府県単位で見ると10か所しかありません。
住んでいる地域によっては移動が前提になります。
年1回・会場10か所という条件は、体調や仕事の都合で流れると次が1年後という意味でもあります。
申込者の16%が受験していない背景には、この構造もあると考えられます。
試験地ごとの合格者分布はエネルギー管理士の通信講座おすすめ比較で全件集計しています。
エネルギー管理士の難易度に関するよくある質問
エネルギー管理士の合格率は何%ですか
令和8年度第48回では、新規受験者8,783人のうち3,019人が合格しました。
受験者を分母にすると34.4%です。
申込者10,456人を分母にすると28.9%になります。
合格率の数字がサイトによって違うのはなぜですか
分母の取り方が違うためです。
受験者を分母にすると34.4%、申込者を分母にすると28.9%で、5ポイント以上ずれます。
一発合格率はどれくらいですか
省エネルギーセンターの公表資料に一発合格者だけを取り出した区分はありません。
公表されている合格率は、課目免除受験者を含む新規受験者全体に対する割合です。
試験は年に何回ありますか
国家試験は毎年8月の年1回です。
認定研修は毎年12月に実施されますが、申込時までに実務3年以上が必要です。
試験はどこで受けられますか
第48回の試験地は北海道・宮城県・東京都・愛知県・富山県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県の10か所でした。
まとめ|エネルギー管理士の難易度は合格率だけでは測れない
- 令和8年度第48回の新規受験者は申込10,456人・受験8,783人・合格3,019人
- 受験者を分母にした合格率は34.4%、申込者を分母にすると28.9%
- 申込の16.0%にあたる1,673人が受験していない
- 試験日は令和8年8月2日で、国家試験は年1回のみ
- 受験者には課目免除受験者が含まれており、一発合格者だけの割合は公表されていない
- 課目合格制度があり、複数年かけて課目を揃える進め方が制度上認められている
- 取得ルートは国家試験(8月・マークシート方式)と認定研修(12月・修了試験は記述式)の2つ
- 認定研修は申込時までに実務3年以上が必要で、未経験者は国家試験ルートのみ
- 第48回の試験地は10か所で、地域によっては移動が前提になる
- 免状は省エネ法第55条により経済産業大臣が交付する
受験の条件はエネルギー管理士の受験資格と実務経験で、資格の価値はエネルギー管理士は意味ないのかで扱っています。
講座で対策する場合はエネルギー管理士の通信講座おすすめ比較を参考にしてください。


コメント