司法書士になる方法は、法律上2つしかありません。
司法書士試験に合格するか、裁判所事務官などとして通算10年以上従事したうえで法務大臣の認定を受けるかです。
他の資格を持っていることで司法書士になれる制度はありません。
一方で、試験そのものに受験資格の制限はなく、令和7年度は17歳から74歳までが合格しています。
この記事では、資格取得から登録までの流れを条文で整理します。
編集部のアドバイス

司法書士は「誰でも受けられるが、他の資格からは入れない」タイプの資格です。行政書士なら税理士や会計士の資格保有者に自動的に与えられますが、司法書士にそうした付与はありません。逆に言えば、学歴も実務経験もない状態から試験一本で狙える資格でもあります。
司法書士となる資格を有するのは2区分

司法書士法第4条が定める資格です。
| 区分 | 要件 |
|---|---|
| 試験ルート | 司法書士試験に合格した者 |
| 認定ルート | 裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官若しくは検察事務官としてその職務に従事した期間が通算して10年以上になる者、またはこれと同等以上の法律に関する知識及び実務の経験を有する者で、法務大臣が司法書士の業務を行うのに必要な知識及び能力を有すると認めたもの |
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認定ルートは特定の公務員経験者に限られるため、一般には試験ルートが唯一の道になります。
他資格からの自動付与はない
比較すると違いがはっきりします。
| 資格 | 他資格からの付与 |
|---|---|
| 司法書士 | なし(試験合格または裁判所事務官等10年+法務大臣の認定のみ) |
| 行政書士 | あり(弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を有する者) |
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行政書士法第2条は、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を有する者に行政書士となる資格を認めています。
司法書士にはこうした規定がありません。
斉藤さやか「弁護士資格があれば司法書士も名乗れる」と思われがちですが、司法書士法第4条にその定めはありません。弁護士は司法書士の業務の多くを行えますが、それは弁護士法に基づく話で、司法書士になれるという意味ではありません。
ステップ1:司法書士試験に合格する

試験の内容は司法書士法第6条に定められています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施 | 法務大臣が毎年1回以上行う |
| 方法 | 筆記及び口述(口述は筆記試験に合格した者について行う) |
| 出題事項 | 憲法、民法、商法及び刑法に関する知識/登記、供託及び訴訟に関する知識/その他業務に必要な知識及び能力 |
| 受験資格 | 法律に制限の定めなし |
| 受験手数料 | 8,000円(収入印紙で納付) |
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年齢や学歴による制限はありません。
令和7年度の合格者を見ると、最低年齢17歳が1人、最高年齢74歳が1人、平均年齢は42.05歳でした。
合格率は5.2%
令和7年度の実績です。
| 項目 | 令和7年度 |
|---|---|
| 受験者数 | 14,418人 |
| 合格者数 | 751人 |
| 合格率 | 5.2% |
| 男女別 | 男528人(70.3%)/女223人(29.7%) |
| 筆記試験合格点 | 350点中255.0点以上 |
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筆記試験には午前105点中78点、午後の多肢択一105点中72点、記述式140点中70.0点という3つの基準点があり、いずれかを下回るとそれだけで不合格になります。
筆記に合格すれば次回の筆記が免除される
司法書士法第6条第3項は、筆記試験に合格した者に対しては、その申請により次回の司法書士試験の筆記試験を免除すると定めています。
口述試験は筆記試験に合格した者について行われるため、この免除が意味を持つのは口述を受けられなかった場合などです。
登録まで進むには、まず試験に合格する必要があります。
試験対策の選択肢は司法書士試験の対策講座まとめに整理しました。
ステップ2:司法書士名簿に登録する

試験に合格しただけでは司法書士として業務を行えません。
司法書士法第73条第1項は、司法書士会に入会している司法書士または司法書士法人でない者は、第3条第1項第1号から第5号に規定する業務を行ってはならないと定めています。
この規定に違反すると、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられます(同法第78条第1項)。
業務を行うには司法書士会への入会が前提だということです。
全国の司法書士の登録者数は次のとおりです。
| 項目 | 人数 |
|---|---|
| 全国の会員数 | 23,505人 |
| うち男性 | 18,689人(約80%) |
| うち女性 | 4,816人(約20%) |
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欠格事由に該当すると登録できない
司法書士法第5条が定める欠格事由です。
- 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなってから3年を経過しない者
- 未成年者
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 公務員であって懲戒免職の処分を受け、その処分の日から3年を経過しない者
- 業務の禁止の処分を受け、その処分の日から3年を経過しない者
- 懲戒処分により、公認会計士の登録を抹消され、または土地家屋調査士・弁理士・税理士・行政書士の業務を禁止された者等で、処分の日から3年を経過しない者
未成年者は欠格事由に含まれます。
令和7年度に17歳の合格者が出ていますが、登録するには成年に達している必要があるということです。
司法書士ができる業務
司法書士法第3条第1項が列挙する業務です。
| 号 | 業務 |
|---|---|
| 一 | 登記又は供託に関する手続について代理すること |
| 二 | 法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録を作成すること |
| 三 | 法務局又は地方法務局の長に対する登記又は供託に関する審査請求の手続について代理すること |
| 四 | 裁判所若しくは検察庁に提出する書類、筆界特定の手続において法務局等に提出する書類を作成すること |
| 五 | 前各号の事務について相談に応ずること |
| 六 | 簡易裁判所における一定の手続について代理すること |
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第6号の簡易裁判所における代理は、訴訟の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないものが対象です。
ただし上訴の提起、再審、強制執行に関する事項については代理できないという例外があります。
試験までのスケジュール
令和8年度の実績をもとにした年間の流れです。
| 手続き・試験 | 日程 |
|---|---|
| 受験申請書等一式の交付 | 令和8年4月1日〜5月18日 |
| 受験申請の受付 | 令和8年5月7日〜5月18日 |
| 筆記試験 | 令和8年7月5日(日) |
| 筆記試験合格発表 | 令和8年10月1日(木) |
| 口述試験 | 令和8年10月13日(火) |
| 最終合格発表 | 令和8年11月5日(木) |
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申請の受付期間は土日祝を除くと8営業日しかありません。
申請書の交付は4月1日から始まるため、4月のうちに書類をそろえておくと安全です。
なお出願者数は令和3年度の14,988人から令和8年度の17,862人まで、5年連続で増加しています。
斉藤さやか受験資格がないぶん、いつでも挑戦できる資格です。ただし申請の窓口が2週間弱しかないので、「今年受ける」と決めたら4月には動き出す必要があります。
司法書士になるにはに関するよくある質問
司法書士に受験資格はありますか?
司法書士法には受験資格の制限に関する定めがありません。
年齢や学歴による制限はなく、令和7年度は17歳から74歳までの合格者がいました。
試験以外に司法書士になる方法はありますか?
あります。
裁判所事務官・裁判所書記官・法務事務官・検察事務官として通算10年以上従事した者等で、法務大臣が必要な知識及び能力を有すると認めた場合です(司法書士法第4条)。
他の資格を持っていれば司法書士になれますか?
なれません。
行政書士は弁護士・弁理士・公認会計士・税理士に自動付与されますが、司法書士にそうした規定はありません。
合格すればすぐ働けますか?
司法書士会に入会している司法書士または司法書士法人でなければ、司法書士法第3条第1項第1号から第5号の業務を行えません(同法第73条第1項)。
違反すると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられます。
未成年でも登録できますか?
できません。
未成年者は司法書士法第5条の欠格事由に含まれています。
何年くらいかかりますか?
期間を示した公的データはありません。
令和7年度の合格率は5.2%で、合格者の平均年齢は42.05歳でした。
まとめ|試験一本で狙えるが、入口は試験だけ
- 司法書士となる資格は試験合格か、裁判所事務官等10年以上+法務大臣の認定の2区分
- 他資格からの自動付与はない(行政書士との大きな違い)
- 試験に受験資格の制限はなく、令和7年度は17歳〜74歳が合格
- 令和7年度の合格率は5.2%(受験14,418人・合格751人)
- 筆記には3つの基準点があり、1つでも下回れば不合格
- 業務を行うには司法書士会への入会が必要で、違反には罰則がある
- 未成年者は欠格事由にあたり登録できない
流れが分かったら、申請の日程を押さえてください。
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行政書士と迷っている方は司法書士と行政書士の違いをご覧ください。


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