メンタルヘルス・マネジメント検定は、いきなりⅡ種から受けられます。
Ⅲ種の合格が条件になっていないからです。
公式サイトも「いずれのコースからも受験可能です」と明記しています。
ただしⅠ種だけは合格基準の作りが違い、年1回しか実施されません。
この記事では大阪商工会議所の公式情報で、3つのコースの違いと選び方を整理します。
編集部のアドバイス

コース選びで迷ったら「誰の心を守る立場か」で決めるのが早いです。自分のストレスならⅢ種、部下がいるならⅡ種、会社の制度を作る側ならⅠ種。実際にⅡ種の受験者はⅢ種の2.29倍いて、ここが事実上の標準になっています。
メンタルヘルス・マネジメント検定はいずれのコースからも受験できる
公式サイトのコース案内に、次の一文があります。
「※いずれのコースからも受験可能です」
下位のコースに合格していることが条件ではありません。
受験資格そのものにも制限がありません。
| 受験資格 |
|---|
| 学歴・年齢・性別・国籍に制限はありません |
| 希望のコースを受験できます |
| Ⅰ種とⅡ種、Ⅱ種とⅢ種を同日に受験することも可能です |
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3つめが重要です。
同じ日に2つのコースを併願できます。
ただし3月の公開試験はⅡ種とⅢ種のみの実施なので、Ⅰ種との併願は11月回に限られます。
斉藤さやか「Ⅲ種から順番に取らないといけない」と思い込んでいる人が多いのですが、制度上そうなっていません。時間もお金も余分にかかるので、自分の立場に合うコースを1つ選ぶほうが合理的です。
メンタルヘルス・マネジメント検定の3コースは対象者で分かれている

公式が示すコースの区分です。
| 項目 | Ⅰ種(マスターコース) | Ⅱ種(ラインケアコース) | Ⅲ種(セルフケアコース) |
|---|---|---|---|
| 対象 | 人事労務管理スタッフ、経営幹部 | 管理監督者(管理職) | 一般社員 |
| 目的 | 社内のメンタルヘルス対策の推進 | 部門内、上司としての部下のメンタルヘルス対策の推進 | 組織における従業員自らのメンタルヘルス対策の推進 |
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到達目標を見ると違いがさらにはっきりします。
| コース | 到達目標 |
|---|---|
| Ⅰ種 | 自社の人事戦略・方針を踏まえたうえで、メンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、従業員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができる |
| Ⅱ種 | 部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に則った対応を行うことができる |
| Ⅲ種 | 自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる |
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Ⅲ種は自分、Ⅱ種は部下、Ⅰ種は会社全体です。
守る対象の範囲が広がっていく構造になっています。
Ⅱ種の到達目標に「安全配慮義務に則った対応」と書かれている点は見逃せません。
管理職が負う法的な義務に直結する内容だということです。
出題項目の数もコースで違う
| コース | 出題項目 |
|---|---|
| Ⅰ種(9項目) | 企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性/メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割/ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識/人事労務管理スタッフに求められる能力/メンタルヘルスケアに関する方針と計画/産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進/相談体制の確立/教育研修/職場環境等の改善 |
| Ⅱ種(7項目) | メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割/ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識/職場環境等の評価および改善の方法/個々の労働者への配慮/労働者からの相談への対応/社内外資源との連携/心の健康問題をもつ復職者への支援の方法 |
| Ⅲ種(6項目) | メンタルヘルスケアの意義/ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識/セルフケアの重要性/ストレスへの気づき方/ストレスへの対処、軽減の方法/社内外資源の活用 |
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「ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識」は3コース共通です。
ここから先が、立場に応じて積み上がります。
Ⅲ種の「ストレスへの気づき方」「対処、軽減の方法」に対し、Ⅱ種は「個々の労働者への配慮」「相談への対応」「復職者への支援」と、他人に向けた内容に変わります。
Ⅰ種になると「方針と計画」「教育研修」「職場環境等の改善」と、制度を設計する側の項目が並びます。
Ⅰ種だけ合格基準の作りが違う

コース選びで最も効いてくるのがこの差です。
| コース | 問題構成 | 配点 | 合格基準 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ種 | 選択問題2時間+論述問題1時間 | 選択100点+論述50点=150点 | 選択と論述の合計が105点以上。ただし論述問題の得点が25点以上 |
| Ⅱ種 | 選択問題2時間 | 100点 | 70点以上 |
| Ⅲ種 | 選択問題2時間 | 100点 | 70点以上 |
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Ⅱ種とⅢ種は100点満点の70点以上、つまり7割です。
Ⅰ種は150点満点の105点以上で、割合としては同じ7割にあたります。
違うのは条件が2つあることです。
合計105点を超えていても、論述が25点未満なら合格になりません。
論述の50点満点に対して25点、つまり半分が足切りラインです。
公式は論述問題について「実務を遂行するうえで必要な知識とその応用力、総合的判断力などを問います」と説明しています。
選択問題で点を稼いで論述を捨てる、という戦い方が成立しない設計です。
斉藤さやかⅠ種を検討するなら、論述の配点が全体の3分の1を占めることを最初に押さえてください。選択問題だけ仕上げても、論述25点に届かなければ不合格です。対策の時間配分がここで決まります。
コース別の合格率はⅠ種だけ2割前後で安定している
公式の受験者データから、直近の合格率を並べます。
| 回 | 施行日 | Ⅰ種 | Ⅱ種 | Ⅲ種 |
|---|---|---|---|---|
| 第40回 | 2026年3月15日 | 実施なし | 78.0% | 69.7% |
| 第39回 | 2025年11月2日 | 19.4% | 47.8% | 65.1% |
| 第38回 | 2025年3月16日 | 実施なし | 54.8% | 77.8% |
| 第37回 | 2024年11月3日 | 20.9% | 60.5% | 74.3% |
| 第36回 | 2024年3月17日 | 実施なし | 73.2% | 72.1% |
| 第35回 | 2023年11月5日 | 20.5% | 56.5% | 71.9% |
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Ⅰ種は3月回に実施されません。
Ⅰ種が受けられるのは11月の回だけです。
年1回しかチャンスがないということです。
第29回から第39回までの11月回6回を見ると、Ⅰ種の合格率は次のようになります。
| 項目 | Ⅰ種 | Ⅱ種 | Ⅲ種 |
|---|---|---|---|
| 最低 | 17.6% | 46.4% | 64.4% |
| 最高 | 21.3% | 78.0% | 86.4% |
| 振れ幅 | 3.7ポイント | 31.6ポイント | 22.0ポイント |
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※第29回〜第40回のデータから当サイトで算出
Ⅰ種の振れ幅は3.7ポイントしかありません。
6回とも17.6%から21.3%の間に収まっています。
対してⅡ種は31.6ポイント、Ⅲ種は22.0ポイント動きます。
Ⅰ種だけは「毎年およそ2割」と言い切れる安定性があり、Ⅱ種とⅢ種は受ける回によって難しさが変わります。
Ⅱ種の受験者はⅢ種の2.29倍いる

どのコースが選ばれているかも、受験者数でわかります。
第29回から第40回までの実受験者を合計しました。
| コース | 実受験者の合計 | 対象回数 |
|---|---|---|
| Ⅱ種 | 140,689人 | 12回 |
| Ⅲ種 | 61,382人 | 12回 |
| Ⅰ種 | 9,453人 | 6回(11月回のみ) |
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※合計は当サイトで算出
Ⅱ種はⅢ種の2.29倍、Ⅰ種の14.9倍です。
一般社員向けのⅢ種より、管理職向けのⅡ種のほうが圧倒的に受けられています。
企業が研修として管理職に受けさせるケースが多いことが背景にあると考えられます。
1回あたりで見ても、Ⅱ種は1万人台、Ⅲ種は5,000人前後、Ⅰ種は1,500〜1,800人という規模です。
「いきなりⅡ種」という検索が多いのは、この分布の裏返しでもあります。
Ⅰ種は欠席率も高い
受験者数と実受験者数の差から、申し込んで受けなかった人の割合が出ます。
| 回 | コース | 受験者 | 実受験者 | 欠席率 |
|---|---|---|---|---|
| 第39回 | Ⅰ種 | 2,111人 | 1,710人 | 19.0% |
| 第39回 | Ⅱ種 | 14,169人 | 12,887人 | 9.0% |
| 第39回 | Ⅲ種 | 5,617人 | 5,139人 | 8.5% |
| 第40回 | Ⅱ種 | 15,558人 | 13,865人 | 10.9% |
| 第40回 | Ⅲ種 | 6,090人 | 5,496人 | 9.8% |
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※欠席率は当サイトで算出
Ⅰ種の欠席率19.0%は、Ⅱ種とⅢ種のおよそ2倍です。
準備が間に合わずに見送る人が、Ⅰ種では5人に1人います。
論述対策の負荷を考えると、この数字は納得のいくものです。
なお受験料は返ってきません。
公式は「理由の如何に関わらず、申込後の取消、受験料の返金および次回への振替、受験地・コースの変更はできません」と明記しています。
どのコースを選ぶかが決まれば、対策の手段も絞り込めます。
メンタルヘルス・マネジメント検定の通信講座を料金で比較で、料金とサポート内容を確認できます。
Ⅱ種とⅢ種は同日に併願できる
併願が成立する理由は試験時間にあります。
| コース | 集合時刻 | 試験時間 |
|---|---|---|
| Ⅱ種 | 10:00 | 2時間 |
| Ⅲ種 | 13:30 | 2時間 |
| Ⅰ種 前半(選択問題) | 13:30 | 2時間 |
| Ⅰ種 後半(論述問題) | 16:00 | 1時間 |
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Ⅱ種が午前、Ⅲ種が午後です。
時間が重ならないので同日に受けられます。
Ⅰ種は13:30集合で、Ⅲ種と時間が重なります。
そのためⅠ種と併願できるのはⅡ種のみです。
公式の受験資格にも「Ⅰ種とⅡ種、Ⅱ種とⅢ種を同日に受験することも可能です」と、この2通りだけが挙げられています。
費用は次のとおりです。
| 組み合わせ | 受験料の合計 |
|---|---|
| Ⅱ種のみ | 7,480円 |
| Ⅲ種のみ | 5,280円 |
| Ⅱ種+Ⅲ種 | 12,760円 |
| Ⅰ種のみ | 11,550円 |
| Ⅰ種+Ⅱ種 | 19,030円 |
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※合計は当サイトで算出
いずれも別途、申込システム利用手数料495円がかかります。
申込の際は一度に併願も入力できます。
斉藤さやか併願は魅力的に見えますが、Ⅱ種とⅢ種は出題範囲がかなり重なります。両方取ることに意味があるのは、履歴書に並べたい場合や会社の要件がある場合です。学習効率だけで言えば、立場に合う1つを確実に通すほうが早いです。
コース選びに関するよくある質問
いきなりⅡ種から受験できますか?
できます。
公式サイトが「いずれのコースからも受験可能です」と明記しており、Ⅲ種の合格は条件になっていません。
いきなりⅠ種から受験できますか?
できます。
ただしⅠ種は論述問題があり、合格には合計105点以上かつ論述25点以上が必要です。
Ⅱ種とⅢ種はどちらを受けるべきですか?
部下やチームがいる立場ならⅡ種、自分のストレス対処が目的ならⅢ種です。
実際の受験者はⅡ種がⅢ種の2.29倍います。
Ⅰ種はいつ受けられますか?
11月の回のみです。
3月の公開試験はⅡ種とⅢ種だけの実施で、Ⅰ種はありません。
同じ日に2つ受けられますか?
Ⅰ種とⅡ種、またはⅡ種とⅢ種の組み合わせで併願できます。
Ⅱ種が午前10:00集合、Ⅲ種が午後13:30集合で時間が重ならないためです。
どのコースが一番難しいですか?
合格率ではⅠ種です。
直近6回の11月回で17.6%から21.3%に収まっており、Ⅱ種の46.4〜78.0%とは水準が違います。
受験資格に制限はありますか?
ありません。
学歴・年齢・性別・国籍による制限は一切ないと公式に明記されています。
合格率は毎年同じくらいですか?
Ⅰ種はほぼ一定(振れ幅3.7ポイント)ですが、Ⅱ種は31.6ポイント、Ⅲ種は22.0ポイント動きます。
まとめ|いきなりⅡ種は制度上まったく問題ない
- 公式が「いずれのコースからも受験可能です」と明記しており、下位コースの合格は条件ではない
- 受験資格に学歴・年齢・性別・国籍の制限はない
- Ⅲ種は自分、Ⅱ種は部下、Ⅰ種は会社全体が対象
- Ⅱ種の到達目標には「安全配慮義務に則った対応」が含まれる
- 合格基準はⅡ種・Ⅲ種が100点満点の70点以上
- Ⅰ種は150点満点の105点以上かつ論述25点以上の2条件
- Ⅰ種は11月回のみ実施で年1回
- Ⅰ種の合格率は直近6回とも17.6〜21.3%で振れ幅3.7ポイント
- Ⅱ種の実受験者はⅢ種の2.29倍、Ⅰ種の14.9倍
- Ⅰ種の欠席率19.0%はⅡ種Ⅲ種のおよそ2倍
- Ⅰ種+Ⅱ種、Ⅱ種+Ⅲ種は同日併願できる
合格率の推移はメンタルヘルス・マネジメント検定の難易度で確認できます。
試験日程と申込はメンタルヘルス・マネジメント検定の試験日程にまとめています。
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