保育士の仕事は、児童福祉法で「児童の保育」と「児童の保護者に対する保育に関する指導」と定義されています。
つまり子どもを預かるだけでなく、保護者への支援も業務のうちです。
年収については、資格単体の平均を示す公的データはなく、勤務先の施設種別や自治体の制度によって変わります。
この記事では、法律上の位置づけと働ける場所を整理したうえで、年収を左右する要素を見ていきます。
編集部のアドバイス

保育士の年収を調べると、サイトによって金額がばらつきます。これは調査の対象が「保育所の常勤保育士だけ」だったり「保育補助を含む」だったりと、範囲が違うためです。数字を比べる前に、どの範囲を測った数字なのかを確認する習慣をつけると、実態に近い見方ができます。
保育士の仕事内容は児童福祉法で定義されている
児童福祉法は、保育士を次のように定めています。
保育士登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者。
ポイントは、業務が2つ書かれていることです。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 児童の保育 | 子どもの生活の援助、発達に応じた活動、健康と安全の管理 |
| 保護者に対する保育に関する指導 | 子育ての相談、家庭への助言、関係機関との連携 |
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保育所での1日は、受け入れ・遊びと活動・食事・午睡・降園といった流れで進みます。
あわせて連絡帳や指導計画の作成、行事の準備、保護者対応といった業務があります。
保育士には法律上の義務もある
児童福祉法では、保育士に次の義務が定められています。
- 保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない(第18条の21)
- 正当な理由がなく、業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない(第18条の22)
- 守秘義務は保育士でなくなった後も続く(第18条の22)
また、保育士でない者は保育士またはこれに紛らわしい名称を使用してはなりません(第18条の23)。
名称独占の国家資格である、ということです。
斉藤さやか「保育士=保育所の先生」というイメージが強いのですが、法律の定義には保護者への指導まで含まれています。実際、現場で難しいと言われるのも子どもより保護者対応のほうだったりします。
保育所以外で保育士資格を活かせる場所

保育士が働けるのは保育所だけではありません。
児童福祉法第7条は、児童福祉施設として次の施設を挙げています。
| 児童福祉施設 |
|---|
| 助産施設/乳児院/母子生活支援施設/保育所 |
| 幼保連携型認定こども園/児童厚生施設/児童養護施設 |
| 障害児入所施設/児童発達支援センター/児童心理治療施設 |
| 児童自立支援施設/児童家庭支援センター/里親支援センター |
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このほかにも、小規模保育事業、事業所内保育事業、居宅訪問型保育事業、放課後児童健全育成事業(学童保育)、一時預かり事業など、保育士が関わる事業は幅広くあります。
| 働く場所 | 特徴 |
|---|---|
| 保育所・認定こども園 | 人数が多く、求人も最も多い |
| 乳児院・児童養護施設 | 家庭で暮らせない子どもの生活を支える |
| 障害児入所施設・児童発達支援センター | 発達支援の専門性が求められる |
| 小規模保育・事業所内保育 | 少人数で、勤務形態が柔軟な場合がある |
| 放課後児童クラブ(学童) | 小学生が対象。夕方中心の勤務が多い |
| ベビーシッター・病院内保育 | 個別対応や変則勤務が中心 |
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同じ保育士資格でも、対象年齢も働き方も大きく変わります。
「保育所の働き方が合わなかった」場合でも、資格の活かし方は複数あるということです。
保育士の年収に公的な平均値はない

「保育士の平均年収」として示せる、資格単体の公的データはありません。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査には職種別の賃金データがあり、e-Statで公開されています。
ただし数値は毎年更新されるため、最新値は出典元で確認してください。
そのうえで、年収を左右する要素は整理できます。
要素1:公立か私立か
公立保育所で正規職員として採用された場合、給与は自治体の給与表に従います。
私立の場合は運営法人ごとの給与規程によるため、幅が出ます。
要素2:施設の種別と事業の規模
保育所、認定こども園、乳児院、障害児施設など、施設の種別によって運営の仕組みが異なります。
公定価格や加算の仕組みが施設種別ごとに定められているため、人件費の構造も変わります。
要素3:役職と経験年数
主任保育士、副主任、園長といった役職が付くかどうかで処遇は変わります。
国の制度として、技能・経験に応じた処遇改善の仕組みも設けられています。
要素4:地域
同じ仕事でも、地域によって給与水準や自治体独自の補助が異なります。
都市部では自治体が独自に上乗せの補助を行っている場合もあります。
保育所以外にも活かせる場があるぶん、資格を持っているかどうかが前提条件になります。
取得までの費用と期間は保育士の通信講座5選で確認できます。
求人を見るときに確認したい項目
求人票では、次の点を確認すると実態に近づきます。
- 施設種別(保育所・認定こども園・小規模保育など)
- 運営主体(自治体・社会福祉法人・株式会社など)
- 常勤か非常勤か、シフトの形(早番・遅番の有無)
- 配置人数と1人あたりの担当児童数
- 処遇改善の加算が給与にどう反映されているか
- 賞与・昇給の実績
とくに施設種別と運営主体は、給与構造を決める入口になります。
資格を取るところから始める場合は、保育士試験の受験資格で条件を確認してください。
試験の仕組みは保育士試験の難易度と合格率、学習方法は保育士試験は独学で合格できる?にまとめました。
保育士資格は登録してはじめて名乗れる
試験に合格しただけでは保育士になりません。
保育士となる資格を有する者が保育士となるには、保育士登録簿への登録を受ける必要があります。
登録簿は都道府県に備えられ、登録すると保育士登録証が交付されます。
転職や求人応募の際には登録証の提示を求められることがあるため、合格後は早めに登録を済ませておくと安心です。
斉藤さやか登録を後回しにして、いざ応募するときに慌てる方がいます。合格通知が届いたら、その流れで登録手続きまで進めてしまうのがおすすめです。
保育士の年収・仕事に関するよくある質問
保育士の平均年収はいくらですか?
資格単体の平均年収として示せる公的データはありません。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査に職種別の賃金データがあり、e-Statで公開されています。
数値は毎年更新されるため、最新値は出典元で確認してください。
保育士の仕事内容は何ですか?
児童福祉法では「児童の保育」と「児童の保護者に対する保育に関する指導」と定義されています。
子どもの生活の援助に加え、保護者への相談対応や関係機関との連携も業務に含まれます。
保育所以外でも働けますか?
働けます。
乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、認定こども園などの児童福祉施設のほか、小規模保育や放課後児童クラブなどでも保育士資格が活かせます。
資格手当はもらえますか?
勤務先の給与規程によります。
保育士資格が応募要件になっている職種では、資格手当ではなく基本給に織り込まれている場合もあります。
保育士は名称独占ですか?
名称独占です。
保育士でない者は、保育士またはこれに紛らわしい名称を使用してはならないと児童福祉法で定められています。
まとめ|年収は「どこで働くか」で決まる
- 保育士の業務は児童の保育と、保護者に対する保育に関する指導
- 守秘義務は退職後も続き、名称独占の国家資格
- 働ける場所は保育所のほか、乳児院・児童養護施設・障害児施設・学童など幅広い
- 資格単体の公的な平均年収はなく、施設種別・運営主体・役職・地域で決まる
- 求人票では施設種別と運営主体、処遇改善の反映を確認する
- 合格後は保育士登録を受けてはじめて保育士を名乗れる
年収を考えるときは、資格の相場ではなく「どの施設でどんな立場で働くか」から見ていくのが実態に合っています。
これから資格を取るなら、まず受験できる条件の確認からです。
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