二級建築士は、学科の試験なら独学でも十分に狙えます。
建築技術教育普及センターが過去10年分の試験問題・正答肢・配点・合格基準点を無料公開しており、教材の中心になる過去問が手に入るからです。
一方で設計製図の試験は、5時間で1課題を仕上げる実技に近い試験で、描いた図面を誰かに見てもらえるかどうかが結果を左右します。
この記事では、公式が公開している材料をもとに、独学で進められる範囲と、講座を挟んだほうが早い場面を整理します。
編集部のアドバイス

二級建築士の独学は「学科は独学、製図は要検討」で考えると失敗しにくくなります。学科は法令集を持ち込める選択式で、過去問10年分が公式に公開されています。対して製図は標準解答例こそ公開されていますが、自分の図面のどこが減点されるかは独学では判断が難しい部分です。
二級建築士の学科は独学で戦える|過去問10年分が公式に無料公開

独学の可否は、教材が手に入るかどうかで決まります。
二級建築士は、この点で恵まれています。
| 公開されているもの | 内容 |
|---|---|
| 学科の試験問題 | 平成29年〜令和8年の10年分(学科Ⅰ・Ⅱ、学科Ⅲ・Ⅳ) |
| 正答肢・配点・合格基準点 | 各年度分 |
| 設計製図の問題用紙・答案用紙 | 平成28年〜令和7年の10年分 |
| 設計製図の標準解答例 | 全年度分 |
| 採点のポイント・採点結果の区分・合格基準 | 各年度分 |
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10年分の問題と正答、さらに合格基準点まで公開されているため、独学でも出題傾向と必要な得点水準を正確につかめます。
ただし公開ページには、試験問題は実施時の内容であり現在の法令や基準と一致しない場合があると注記されています。
法令が改正された分野は、最新のテキストで補う必要があります。
斉藤さやか過去問が10年分ただで手に入るというのは、独学にとってかなり大きな条件です。まず直近1年分を時間を計って解いてみて、自分がどの科目で何点取れるのかを知るところから始めてください。買うべき教材はそのあとで決まります。
二級建築士の勉強時間の目安と考え方
公式に「合格に必要な勉強時間」は公表されていません。
そのため、試験の構成から逆算して計画を立てるのが現実的です。
| 試験の区分 | 内容 | 試験時間 |
|---|---|---|
| 学科Ⅰ(建築計画)・学科Ⅱ(建築法規) | 各25問・五肢択一式 | 計3時間 |
| 学科Ⅲ(建築構造)・学科Ⅳ(建築施工) | 各25問・五肢択一式 | 計3時間 |
| 設計製図 | あらかじめ公表された課題の設計図書を作成 | 5時間 |
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学科は4科目で計100問です。
過去問10年分を科目別に回すことを基準に、1科目あたり何日かけるかで逆算すると計画が立てやすくなります。
学科の試験は例年7月、製図は9月
令和8年の場合、学科の試験が7月5日、設計製図の試験が9月13日でした。
受験申込は4月1日から4月14日までで、学科の合格発表は8月24日(予定)です。
学科から製図までは約2か月しかありません。
しかも設計製図の課題が公表されるのは6月24日頃で、学科の直前です。
そのため多くの受験者は、学科の手応えを見て試験直後から製図の準備に入ります。
学科に合格すれば翌年以降は製図に集中できる
令和8年試験では、令和4年以降の学科の試験に合格した人のうち、合格年から令和7年までの設計製図の受験回数が2回以内であれば、本人の申請で学科が免除されます。
欠席は受験回数に含まれません。
つまり1年目に学科だけ取り、2年目は製図に専念するという分割も可能です。
学科と製図を1年で押し切るか、2年計画にするかで、必要な学習時間の配分は大きく変わります。
合格率の実績は二級建築士の難易度と合格率で確認できます。
二級建築士の学科を独学で進める手順
学科は次の順序で進めると、限られた時間で仕上がります。
手順1:直近の過去問を時間を計って解く
まずは現在地の確認です。
科目ごとの正答率を出すと、どこに時間を割くべきかがその場でわかります。
手順2:法令集を引く練習を学科Ⅱで重ねる
学科の試験では、学科Ⅱ(建築法規)を解答する場合に限り、法令集を2冊まで持ち込めます。
暗記ではなく「引く」試験なので、インデックスの貼り方と引く速度が得点に直結します。
なお電卓や計算機能のあるものは、学科の試験では持ち込めません。
手順3:科目ごとに過去問を回す
学科Ⅰ(建築計画)・学科Ⅲ(建築構造)・学科Ⅳ(建築施工)は、過去問の反復で対応できる範囲が広い科目です。
間違えた論点だけテキストに戻る進め方にすると、学習時間を圧縮できます。
手順4:合格基準点を確認しながら仕上げる
各年度の合格基準点が公開されているため、「何点取れば通るのか」を具体的な数字で追えます。
年度ごとの基準点を確認しながら、目標点に届いているかを点検してください。
設計製図の独学が難しい理由

製図は、独学の壁が学科より高くなります。
理由1:自分の図面の減点箇所が分からない
標準解答例は公開されていますが、自分が描いた図面のどこが減点対象になるかは、見比べるだけでは判断が難しい部分です。
採点のポイントや採点結果の区分も公開されているものの、実際の図面に当てはめるには経験が要ります。
理由2:5時間で仕上げる時間配分の訓練が要る
課題文の読み取り、エスキス、作図、見直しを5時間に収める必要があります。
時間配分を誤って図面が未完成になると、その時点で合格が難しくなります。
理由3:令和8年から法令集の持ち込みルールが変わった
令和8年から、設計製図の試験でも法令集を携行できるようになりました。
携行できる条件は学科の試験と同じで、2冊まで使用できます。
製図では電卓(加減乗除・ルート・メモリー・%・関数機能まで)も使用できるため、学科とは持ち込みルールが異なります。
制度が変わった直後は、古い情報のまま準備してしまうリスクがあるので注意してください。
独学が向いている人・講座を使ったほうが早い人
費用ではなく「添削を受けられる環境があるか」で判断すると迷いません。
| 判断軸 | 独学が向いている | 講座を使ったほうが早い |
|---|---|---|
| 受験する区分 | 学科のみ(2年計画の1年目) | 学科と製図を同年で通したい |
| 図面の添削 | 職場に見てもらえる建築士がいる | 図面を見せられる相手がいない |
| 実務 | 設計・工事監理の実務がある | 実務が施工寄りで作図の機会が少ない |
| 学習時間 | 平日もまとまった時間が取れる | 仕事の合間しか取れない |
| 法改正 | 自分で条文の改正を追える | 改正の反映を任せたい |
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学科は過去問10年分が公開されているため、独学との相性が良い試験です。
一方、製図だけを講座で対策するという選び方もできます。
講座ごとの学科・製図の対応状況と料金は二級建築士の通信講座おすすめ8選で比較しています。
受験資格をまだ確認していない場合は二級建築士の受験資格と指定科目の単位数を先に読んでください。
そもそも自分に必要な資格かを迷っているなら二級建築士ができることの範囲もあわせてどうぞ。
斉藤さやか独学で学科まで取って、製図だけ講座を使う。この組み合わせが、費用と確実性のバランスでいちばん現実的だと思っています。学科に受かった年は製図まで2か月しかありませんから、そこだけ人の手を借りるという考え方です。
二級建築士の独学に関するよくある質問
二級建築士は完全独学で合格できますか?
学科の試験は、過去問10年分と正答肢・合格基準点が公式に公開されているため独学で対応できます。
設計製図は標準解答例が公開されているものの、自分の図面の減点箇所を判断しにくいため、添削を受けられる環境があるかどうかが分かれ目になります。
勉強時間はどのくらい必要ですか?
公式に必要な勉強時間は公表されていません。
学科は4科目計100問で、過去問10年分を科目別に回すことを基準に逆算するのが現実的です。
学科と製図を同じ年に通すのか、2年計画にするのかで必要な時間配分が変わります。
過去問はどこで手に入りますか?
建築技術教育普及センターの「過去の試験問題」ページで、学科は平成29年〜令和8年、設計製図は平成28年〜令和7年の10年分がPDFで無料公開されています。
ただし試験問題は実施時の内容のため、法令改正があった分野は最新のテキストで補ってください。
法令集は試験に持ち込めますか?
学科の試験では、学科Ⅱ(建築法規)を解答する場合に限り2冊まで持ち込めます。
令和8年からは設計製図の試験でも同じ条件で携行できるようになりました。
学科だけ先に合格しておくことはできますか?
できます。
学科に合格すると、その後の試験で本人の申請により学科の試験が免除されます(設計製図の受験回数など条件あり)。
1年目に学科、2年目に製図という進め方も選べます。
まとめ|学科は独学、製図は環境しだい
- 学科は過去問10年分・正答肢・配点・合格基準点が公式に無料公開されている
- 学科Ⅱ(建築法規)は法令集を2冊まで持ち込めるため、暗記ではなく引く練習が要る
- 公式に必要勉強時間の公表はなく、過去問10年分の消化量から逆算するのが現実的
- 設計製図は5時間で1課題を仕上げる試験で、図面の添削環境があるかが分かれ目
- 令和8年から設計製図でも法令集が使用できるようになった
- 学科に合格すれば翌年以降は学科免除を受けて製図に集中できる
まずは公式の過去問を1年分解いて、学科の現在地を測ってみてください。
そのうえで製図の対策だけ外部の手を借りるかを決めると、費用も時間も無駄になりません。
二級建築士の通信講座おすすめ8選で、学科・製図それぞれの対応状況を比較できます。
学科の発表から製図まで20日しかない日程と、学科免除の数え方は二級建築士の合格発表はいつ?で扱っています。


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