社会福祉士は独学だけでは受験できません。
受験資格を得る段階で、大学か養成施設のどちらかを通る必要があるからです。
つまり「独学か講座か」は、受験資格を満たした後の話になります。
しかも公式に勉強時間の目安は示されていません。
この記事では、公式データから学習量を見積もる手がかりを整理します。
編集部のアドバイス

「社会福祉士 独学」で調べている人は、まず自分が受験資格を持っているか確認してください。持っていれば試験対策の話ですが、持っていなければ養成施設に1年通う話が先に来ます。順番を間違えると、独学の計画を立てても受験できません。
社会福祉士は受験資格を独学では取れない

前提の確認です。
社会福祉士及び介護福祉士法第7条は、12号のいずれかに該当しない者は受験できないと定めています。
12号のすべてが、大学・短大・養成施設のいずれかを通る設計です。
| ルートの例 | 必要な通学・通信課程 |
|---|---|
| 大学で指定科目を修めて卒業 | 大学4年 |
| 大学で基礎科目を修めて卒業 | 大学4年+短期養成施設等6月以上 |
| 大学を卒業(一般) | 大学4年+一般養成施設等1年以上 |
| 指定施設で相談援助4年以上 | 一般養成施設等1年以上 |
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実務経験だけで受験できるルートはありません。
学歴要件のない第11号でも、一般養成施設等で1年以上学ぶことが条件です。
したがって「独学で社会福祉士」という言い方が指すのは、受験資格を満たした後の試験対策になります。
受験資格そのものが未取得なら、まず養成施設を選ぶところからです。
斉藤さやかここを取り違えている人が多い印象です。宅建や簿記のように「テキストを買えば受けられる」試験ではありません。入口に必ず学校が入ります。
社会福祉士の勉強時間の目安は公式に示されていない
試験センターも厚生労働省も、必要な学習時間を公表していません。
試験の概要として公表されているのは、試験時間と出題数までです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題数 | 129問(午前84問、午後45問) |
| 総試験時間 | 225分 |
| 出題形式 | 五肢択一を基本とする多肢選択形式 |
| 配点 | 1問1点の129点満点 |
| 試験科目 | 19科目 |
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「300時間」などの数字は、講座事業者や合格者が経験から示しているものです。
公式の根拠として扱えるものではありません。
代わりに、公式データから学習量を測る手がかりが3つあります。
| 手がかり | 内容 |
|---|---|
| 科目数 | 19科目を1日で解く |
| 合格基準の構造 | 6科目群すべてで得点が必要 |
| 新卒と既卒の差 | 学習環境の違いが合格率に38ポイントの差として出ている |
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順に見ます。
社会福祉士試験は19科目を1日で解く

まず量です。
第39回の試験科目は19科目あります。
| 区分 | 科目 |
|---|---|
| 午前(共通科目12科目) | 医学概論/心理学と心理的支援/社会学と社会システム/社会福祉の原理と政策/社会保障/権利擁護を支える法制度/地域福祉と包括的支援体制/障害者福祉/刑事司法と福祉/ソーシャルワークの基盤と専門職/ソーシャルワークの理論と方法/社会福祉調査の基礎 |
| 午後(専門科目7科目) | 高齢者福祉/児童・家庭福祉/貧困に対する支援/保健医療と福祉/ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)/ソーシャルワークの理論と方法(専門)/福祉サービスの組織と経営 |
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医学、心理学、社会学、法制度、社会保障、刑事司法まで入ります。
福祉の知識だけでは足りない構成です。
1科目あたりの出題数を計算すると、平均6.8問になります。
129問を19科目で割った数字です。
多くの科目が6問前後で、深く掘るより広く押さえる設計です。
時間配分も見ておきます。
| 区分 | 問題数 | 時間 | 1問あたり |
|---|---|---|---|
| 午前 | 84問 | 140分 | 約100秒 |
| 午後 | 45問 | 85分 | 約113秒 |
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※1問あたりの時間は当サイトで算出
1問2分弱です。
考え込む余裕はありません。
社会福祉士の合格基準は6科目群すべてで得点が必要
次に構造です。
合格には2つの条件があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 条件1 | 総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点 |
| 条件2 | 6科目群すべてにおいて得点があった者 |
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19科目は6つの群にまとめられています。
| 群 | 科目 |
|---|---|
| [1] | 医学概論/心理学と心理的支援/社会学と社会システム |
| [2] | 社会福祉の原理と政策/社会保障/権利擁護を支える法制度 |
| [3] | 地域福祉と包括的支援体制/障害者福祉/刑事司法と福祉 |
| [4] | ソーシャルワークの基盤と専門職/ソーシャルワークの理論と方法/社会福祉調査の基礎 |
| [5] | 高齢者福祉/児童・家庭福祉/貧困に対する支援/保健医療と福祉 |
| [6] | ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)/ソーシャルワークの理論と方法(専門)/福祉サービスの組織と経営 |
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条件2は「得点があった者」です。
6割ではなく1点でも取れていればよい、という基準になっています。
一方で、1つの群で0点だと総得点が基準を超えていても不合格です。
独学で計画を立てるとき、これが効いてきます。
苦手な群をまるごと捨てる戦い方が成立しません。
厚生労働省は不合格者への通知に「無得点科目群」を含めると明記しています。
わざわざ通知項目になっているということは、この条件で落ちる人がいるということです。
実際の合格基準点は4割前後まで下がる
条件1の「60%程度」も、そのまま受け取れません。
| 回 | 総得点 | 合格基準点 | 満点比 |
|---|---|---|---|
| 第37回 | 129点 | 62点以上 | 48.1% |
| 第38回 | 129点 | 50点以上 | 38.8% |
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※満点比は当サイトで算出
第38回は50点、38.8%でした。
基準点は問題の難易度で補正されるため、事前には決まりません。
ただし「6割は必要」と思って準備したほうが安全です。
補正で下がるかどうかは、自分では選べません。
独学の難しさは既卒の合格率に表れている

最も参考になる数字です。
第38回のルート別・新卒既卒別の結果を合算しました。
| 区分 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 新卒 | 13,150人 | 10,410人 | 79.2% |
| 既卒 | 11,240人 | 4,624人 | 41.1% |
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新卒79.2%に対し、既卒41.1%です。
38ポイントの差があります。
新卒は在学中または修了直後で、学校の試験対策を受けながら受験する人が中心です。
既卒は卒業から時間が経ち、自分で学習を組み立てる人が多くなります。
ルート別に見ても同じ傾向です。
| ルート | 新卒 合格率 | 既卒 合格率 | 差 |
|---|---|---|---|
| ①福祉系大学等 | 78.4% | 42.2% | 36.2ポイント |
| ③短期養成施設等 | 70.8% | 39.0% | 31.8ポイント |
| ④一般養成施設等 | 81.7% | 40.0% | 41.7ポイント |
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※差の算出は当サイトで実施
どのルートでも30ポイント以上の差が出ています。
一般養成施設等ルートでは41.7ポイントと最も開きます。
養成施設を出た年に受けるかどうかが、通過率を大きく変えているということです。
また働きながら受けるルートの数字も参考になります。
| ルート | 受験者 | 合格率 |
|---|---|---|
| ②福祉系短大等+実務経験 | 1,040人 | 38.8% |
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このルートは実務をしながら受験する人が中心で、4ルートで最も低い38.8%です。
全体の60.7%とは22ポイント近い開きがあります。
斉藤さやか既卒41.1%という数字は、独学を選ぶ人が向き合う現実に近いと思います。落ち込む話ではなく、逆算の材料です。卒業した年に受けきるのが一番確率が高く、それを逃したなら学習の仕組みを自分で用意する必要がある、ということになります。
年1回という制約が、独学で粘るか講座で短縮するかの判断を迫ります。
費用対効果は社会福祉士講座の料金とサポートで確認してください。
社会福祉士は年1回しか受けられない
計画に影響する制度上の制約です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施回数 | 年1回 |
| 第39回 試験日 | 令和9年2月7日(日) |
| 第39回 申し込み受付 | 令和8年9月3日〜10月2日 |
| 第39回 合格発表 | 令和9年3月9日 |
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申し込みは試験の5か月前に締め切られます。
科目合格の制度もありません。
前年に取れた科目群が次の年に持ち越されることはなく、毎回129問すべてを解きます。
受験手数料も1回ごとにかかります。
| 区分 | 第39回 |
|---|---|
| 社会福祉士のみ受験 | 24,300円 |
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第38回の19,370円から4,930円上がりました。
1回で決める前提で組むほうが、費用面でも合理的です。
合格者の4割弱は41歳以上
独学で挑む社会人にとっての参考データです。
第38回の合格者15,438人の年齢構成です。
| 年齢 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 〜30歳 | 7,273人 | 47.1% |
| 31〜40歳 | 2,389人 | 15.5% |
| 41〜50歳 | 3,098人 | 20.1% |
| 51〜60歳 | 2,098人 | 13.6% |
| 61歳〜 | 580人 | 3.8% |
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41歳以上を合計すると37.5%です。
51歳以上も17.4%を占めます。
30歳以下が47.1%で最多ですが、社会人が半数以上を占めている試験です。
働きながら合格している人は、実数で見れば毎年8千人前後います。
社会福祉士の独学に関するよくある質問
社会福祉士は独学で合格できますか?
受験資格を満たしていれば、試験対策を独学で進めることは可能です。
ただし受験資格そのものは独学では取れません。
受験資格は独学で取れますか?
取れません。
法第7条の12ルートはすべて大学・短大・養成施設のいずれかを経由します。
勉強時間はどのくらい必要ですか?
試験センターも厚生労働省も目安を公表していません。
ネット上の数字は各社や合格者の経験則です。
何点取れば合格できますか?
第38回は129点満点で50点以上、第37回は62点以上でした。
基準点は問題の難易度で補正されるため事前に確定しません。
苦手な科目を捨てても大丈夫ですか?
危険です。
6つの科目群のいずれかが0点だと、総得点が基準を超えていても不合格になります。
独学だと不利ですか?
数字の上では差があります。
第38回は新卒79.2%に対し既卒41.1%でした。
年に何回受けられますか?
年1回です。
科目合格の持ち越し制度もありません。
働きながらでも取れますか?
取れています。
第38回の合格者のうち41歳以上が37.5%を占めます。
まとめ|社会福祉士の独学は受験資格を得た後の話
- 受験資格は法第7条の12ルートで、すべて大学・短大・養成施設を経由する
- 実務経験だけで受験できるルートはない
- 公式に勉強時間の目安は公表されていない
- 試験は19科目129問を1日で解く(午前84問140分・午後45問85分)
- 合格には総得点の基準に加え、6科目群すべてで得点が必要
- 実際の基準点は第37回62点(48.1%)、第38回50点(38.8%)
- 新卒79.2%に対し既卒41.1%で38ポイントの差
- 一般養成施設等ルートでは新卒と既卒の差が41.7ポイントに開く
- 働きながら受ける福祉系短大+実務経験ルートは38.8%で最低
- 年1回のみで科目合格の持ち越しもなく、受験手数料は24,300円
受験資格の詳細は社会福祉士の受験資格で確認できます。
合格率の推移は社会福祉士の難易度にまとめています。
講座で対策する場合は社会福祉士の通信講座おすすめ5選で比較してください。


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