第38回社会福祉士国家試験の合格率は60.7%でした。
10年前は25%台だった試験です。
ただし基準点は毎年動き、第38回は129点満点で50点が合格ラインでした。
この記事では厚生労働省と試験センターが公表した数字だけで、難易度の実態を確認します。
編集部のアドバイス

「合格率6割なら簡単」と読むのは早いです。この試験は総得点だけでなく6つの科目群すべてで得点が必要で、1つでも0点の科目群があるとその時点で不合格になります。しかも既卒の合格率は4割台です。数字は必ず自分に近い区分で見てください。
社会福祉士の合格率は第38回で60.7%
厚生労働省が公表した第38回の結果です。
| 項目 | 第38回(令和8年2月1日実施) |
|---|---|
| 受験者数 | 25,430人 |
| 合格者数 | 15,438人 |
| 合格率 | 60.7% |
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受験者のおよそ6割が合格しています。
10人受けて6人が通る計算です。
国家資格の中では高い部類に入りますが、この水準になったのはここ数年のことです。
社会福祉士の難易度は第35回で大きく変わった

直近10回の推移を並べます。
| 回 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第29回 | 45,849人 | 11,828人 | 25.8% |
| 第30回 | 43,937人 | 13,288人 | 30.2% |
| 第31回 | 41,639人 | 12,456人 | 29.9% |
| 第32回 | 39,629人 | 11,612人 | 29.3% |
| 第33回 | 35,287人 | 10,333人 | 29.3% |
| 第34回 | 34,563人 | 10,742人 | 31.1% |
| 第35回 | 36,974人 | 16,338人 | 44.2% |
| 第36回 | 34,539人 | 20,050人 | 58.1% |
| 第37回 | 27,616人 | 15,561人 | 56.3% |
| 第38回 | 25,430人 | 15,438人 | 60.7% |
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第29回から第34回までは25%から31%の範囲で動いていました。
それが第35回で44.2%、第36回で58.1%へと跳ね上がっています。
第34回の31.1%と第36回の58.1%では、2年で27ポイントの差です。
第36回以降は56.3%、60.7%と5割から6割で定着しています。
「社会福祉士は3割の試験」という情報は、第34回までの実態です。
累計では30.9%
第1回から第38回までの通算です。
| 項目 | 第1回〜第38回 累計 |
|---|---|
| 受験者 | 1,106,334人 |
| 合格者 | 342,045人 |
| 合格率 | 30.9% |
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38回を通した合格率は30.9%です。
直近の60.7%は、長期平均のおよそ2倍にあたります。
斉藤さやか過去の合格率が低かった時期を知っている人ほど「難関資格」というイメージを持っています。直近3回だけを見れば別の試験と言っていい水準です。合格率を調べるときは、その数字が何回目のものかを必ず確認してください。
社会福祉士の受験者数は10年で4割以上減った
合格率が上がる一方で、受験者は減り続けています。
| 項目 | 人数 |
|---|---|
| 過去最多(第21回) | 46,099人 |
| 第29回 | 45,849人 |
| 第38回 | 25,430人 |
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※減少率の算出は当サイトで実施
第21回の46,099人が過去最多です。
第38回の25,430人は、そこから44.8%減った水準になります。
第29回と比べても、9回で2万人以上減りました。
合格者数は第36回の20,050人を除けば1万人台で推移しており、受験者が減っても合格者数はそれほど変わっていません。
母集団が絞られたことが、合格率の上昇に寄与していると読めます。
6科目群すべてで得点が必要なので、苦手分野を捨てられません。
科目を網羅する教材は社会福祉士の通信講座5選で比べられます。
社会福祉士の合格基準点は129点中50点だった

合格率の数字だけでは難易度が見えない理由がここにあります。
試験センターが公表している合格基準は次のとおりです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 条件1 | 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点 |
| 条件2 | 6科目群すべてにおいて得点があった者 |
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条件1に「60%程度を基準として、問題の難易度で補正した」とあります。
実際の基準点を並べると、60%とはかなり違う数字になります。
| 回 | 総得点 | 合格基準点 | 満点比 |
|---|---|---|---|
| 第37回 | 129点 | 62点以上 | 48.1% |
| 第38回 | 129点 | 50点以上 | 38.8% |
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※満点比は当サイトで算出
第38回の基準点は50点で、129点満点の38.8%です。
第37回の62点(48.1%)からさらに12点下がりました。
「6割取れば受かる」という説明は、条文上の基準であって実際のラインではありません。
補正の幅が大きく、年によって40点近く違うこともありえます。
裏を返せば、その年の問題が難しければ基準点は下がります。
斉藤さやか基準点が4割を切っているのは、問題そのものが相当難しかったということです。合格率6割という数字と、基準点38.8%という数字は矛盾しません。受験者が減って準備の整った層が中心になり、その層でも4割しか取れない問題が出た、という読み方になります。
6科目群すべてで得点がないと不合格になる
合格基準の条件2が、この試験固有の壁です。
第38回の科目群です。
| 群 | 科目 |
|---|---|
| [1] | 医学概論/心理学と心理的支援/社会学と社会システム |
| [2] | 社会福祉の原理と政策/社会保障/権利擁護を支える法制度 |
| [3] | 地域福祉と包括的支援体制/障害者福祉/刑事司法と福祉 |
| [4] | ソーシャルワークの基盤と専門職/ソーシャルワークの理論と方法/社会福祉調査の基礎 |
| [5] | 高齢者福祉/児童・家庭福祉/貧困に対する支援/保健医療と福祉 |
| [6] | ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)/ソーシャルワークの理論と方法(専門)/福祉サービスの組織と経営 |
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19科目が6つの群にまとめられています。
科目群の中身と、発表で公表される正答の読み方は社会福祉士の合格発表はいつ?で扱っています。
条件は「すべての科目群において得点があった者」です。
平均点や6割ではなく、1点でもあればよいという基準です。
ただし1つの群で0点だと、総得点が基準を超えていても不合格になります。
厚生労働省は不合格者への通知について次のように書いています。
「併せて、総得点、各科目群の得点および無得点科目群などを通知する」
「無得点科目群」という項目がわざわざ通知されます。
この条件で落ちる人が一定数いるということです。
共通科目免除を受けた受験者は、[5]と[6]の2科目群だけが対象になります。
社会福祉士の難易度は新卒か既卒かで大きく違う

最も大きな差が出るのがここです。
第38回のルート別・新卒既卒別の結果です。
| ルート | 受験者 | 合格率 | 新卒 合格率 | 既卒 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| ①福祉系大学等 | 13,979人 | 61.8% | 78.4% | 42.2% |
| ②福祉系短大等+実務経験 | 1,040人 | 38.8% | — | — |
| ③短期養成施設等 | 1,667人 | 53.7% | 70.8% | 39.0% |
| ④一般養成施設等 | 8,744人 | 62.9% | 81.7% | 40.0% |
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新卒既卒の区分がある3ルートを合算すると、次のようになります。
| 区分 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 新卒 | 13,150人 | 10,410人 | 79.2% |
| 既卒 | 11,240人 | 4,624人 | 41.1% |
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新卒79.2%に対し、既卒は41.1%です。
38ポイントの差があります。
全体の60.7%という数字は、この2つが混ざった値です。
一度落ちて再挑戦する人や、卒業してから時間が経って受ける人にとっての実感は4割台になります。
なお4ルートの受験者を合計すると25,430人、合格者は15,438人で、厚生労働省が公表した全国値と完全に一致します。
「新卒」は令和7年4月1日から令和8年3月31日までに卒業(修了)した者または見込みの者、「既卒」は令和7年3月31日までに卒業(修了)した者と定義されています。
斉藤さやかこの数字は進路を決めるときに効きます。在学中に一度で通すのと、卒業してから独学で追いかけるのとでは、同じ試験でも通過率が倍違います。受けられる年に受けきる計画を立てるほうが有利です。
社会福祉士の合格者は3割弱が40代以上
年齢別の内訳も公表されています。
第38回の合格者15,438人の構成です。
| 年齢 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 〜30歳 | 7,273人 | 47.1% |
| 31〜40歳 | 2,389人 | 15.5% |
| 41〜50歳 | 3,098人 | 20.1% |
| 51〜60歳 | 2,098人 | 13.6% |
| 61歳〜 | 580人 | 3.8% |
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最も多いのは30歳以下の47.1%です。
一方で41歳以上を合計すると37.5%になります。
51歳以上も17.4%を占めており、社会人が働きながら取得しているケースが少なくありません。
61歳以上の合格者も580人います。
受験資格に年齢制限がないため、この幅が出ます。
社会福祉士の難易度に関するよくある質問
社会福祉士の合格率は何%ですか?
第38回(令和8年2月実施)は60.7%でした。
第1回から第38回までの累計では30.9%です。
社会福祉士は難しくなくなったのですか?
合格率だけを見れば上がっています。
ただし第38回の合格基準点は129点満点で50点(38.8%)で、問題そのものは易しくなっていません。
何点取れば合格できますか?
第38回は50点以上、第37回は62点以上でした。
基準点は「60%程度を基準として問題の難易度で補正」されるため、事前には確定しません。
1科目でも0点だと落ちますか?
科目単位ではなく科目群単位です。
6つの科目群のいずれかが0点だと、総得点が基準を超えていても不合格になります。
既卒だと不利ですか?
数字の上では差があります。
第38回は新卒79.2%に対し既卒41.1%でした。
働きながらでも取れますか?
取れています。
第38回の合格者のうち41歳以上が37.5%、51歳以上が17.4%を占めます。
受験者が減っているのはなぜですか?
公表資料に理由の記載はありません。
事実として第21回の46,099人から第38回の25,430人まで44.8%減っています。
受験資格によって合格率は変わりますか?
変わります。
第38回は一般養成施設等ルートが62.9%で最高、福祉系短大等+実務経験ルートが38.8%で最低でした。
まとめ|社会福祉士の難易度は合格率と基準点を分けて見る
- 第38回の合格率は60.7%(受験者25,430人・合格者15,438人)
- 第34回31.1%から第36回58.1%へ2年で27ポイント上昇し、以後5〜6割で定着
- 第1回から第38回までの累計合格率は30.9%
- 受験者数は過去最多の第21回46,099人から44.8%減
- 合格基準点は第37回62点、第38回50点で、129点満点の38.8〜48.1%
- 「総得点の60%程度」は条文上の基準で、実際の基準点は補正で下がる
- 6科目群すべてで得点がないと総得点を満たしても不合格
- 新卒79.2%に対し既卒41.1%で38ポイントの差
- ルート別では38.8%から62.9%まで開く
- 合格者の37.5%は41歳以上
受験資格の12ルートは社会福祉士の受験資格で確認できます。
学習量の考え方は社会福祉士の独学にまとめています。
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