二級建築士の受験資格は、建築士法第15条で3つの区分に定められています。
そして令和2年の建築士法改正により、学歴だけで受験する場合の実務経験は「受験の要件」ではなく「免許登録の要件」に移りました。
そのため、指定科目を修めて卒業していれば、実務経験が0年でも受験できるケースがあります。
この記事では、建築技術教育普及センターが公表している受験要領をもとに、学歴・単位数・実務経験年数の対応を整理します。
編集部のアドバイス

二級建築士でいちばん誤解が多いのが「実務経験がないと受験できない」という思い込みです。いまは、指定科目の単位を満たして卒業していれば受験自体はできて、実務経験は合格後の免許登録までに満たせばよい形になっています。受験できる年と、免許が取れる年がずれる、と理解しておくと混乱しません。
二級建築士の受験資格は建築士法第15条の3区分
まず法律上の枠組みを確認します。
| 建築士法第15条 | 建築に関する学歴等 |
|---|---|
| 第一号 | 大学(短期大学を含む)、高等専門学校、高等学校において、指定科目を修めて卒業した者 |
| 第二号 | その他都道府県知事が特に認める者(建築設備士を含む) |
| 第三号 | 建築実務の経験を7年以上有する者 |
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建築系の学校を出ているなら第一号、建築設備士を持っているなら第二号、学歴要件に当てはまらないなら実務経験7年の第三号です。
なお二級建築士試験は建築士法第13条にもとづき都道府県知事が行う試験で、実施事務を建築技術教育普及センターが担っています。
斉藤さやか「第三号の7年」を見て諦めてしまう方がいますが、まず確認してほしいのは学校で取った単位です。建築系でなくても、指定科目に該当する授業を必要単位数とっていれば第一号に乗れることがあります。卒業証明書と成績証明書を引っ張り出すところから始めてください。
学歴要件は「指定科目の単位数」で必要な実務経験が変わる

平成21年度以降に入学した人の場合、修めた指定科目の単位数によって必要な実務経験年数が決まります。
ここが二級建築士の受験資格でもっとも重要な表です。
| 学校等 | 指定科目の単位数 | 試験時に必要な実務経験 | 登録時に必要な実務経験 |
|---|---|---|---|
| 大学・短期大学・高等専門学校・職業能力開発総合大学校など | 40単位 | 0年 | 0年 |
| 同上 | 30単位 | 0年 | 卒業後1年以上 |
| 同上 | 20単位 | 0年 | 卒業後2年以上 |
| 高等学校・中等教育学校 | 20単位 | 0年 | 卒業後2年以上 |
| 高等学校・中等教育学校 | 15単位 | 卒業後1年以上 | 卒業後3年以上 |
| 専修学校(高校卒・修業2年以上) | 40/30/20単位 | 0年 | 0年/1年以上/2年以上 |
| 専修学校(中学校卒・修業2年以上) | 15単位 | 卒業後1年以上 | 卒業後3年以上 |
| 職業訓練校等(高校卒・修業3年以上) | 30単位 | 0年 | 卒業後1年以上 |
| 職業訓練校等(中学校卒・修業1年以上) | 10単位 | 卒業後2年以上 | 卒業後4年以上 |
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※平成21年度以降の入学者の場合
表のとおり、大学・短大・高専で指定科目を40単位修めていれば、試験時も登録時も実務経験は0年です。
20〜30単位の場合は受験自体はできますが、免許登録までに1〜2年の実務経験が必要になります。
指定科目の分類ごとに必要な単位数が決まっている
単位は「合計で何単位か」だけでなく、分類ごとの必要数も満たす必要があります。
| 指定科目の分類 | 必要単位数 |
|---|---|
| ①建築設計製図 | 3 |
| ②建築計画、③建築環境工学又は④建築設備 | 2 |
| ⑤構造力学、⑥建築一般構造又は⑦建築材料 | 3 |
| ⑧建築生産 | 1 |
| ⑨建築法規 | 1 |
| ①〜⑨の計 | 10 |
| ⑩その他 | 適宜 |
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合計40単位でも、①建築設計製図が3単位に届いていなければ要件を満たしません。
自分の履修科目が指定科目に該当するかは、学校・課程からの申請にもとづきセンターが確認しているため、センターのホームページで学校ごとに確認できます。
平成20年度以前に入学した人は別の基準
平成20年11月27日までに所定の学校を卒業した人などは、当時の「所定の課程を修めて卒業」という学歴要件が適用されます。
この場合は単位数ではなく、卒業した課程(建築・土木など)で判定されます。
| 最終卒業学校 | 課程 | 登録時に必要な実務経験 |
|---|---|---|
| 大学・短期大学・高等専門学校 | 建築 | 0年 |
| 大学・短期大学・高等専門学校 | 土木 | 1年以上 |
| 高等学校 | 建築・土木 | 2年以上 |
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入学年によって適用される基準が違うため、自分がどちらに当たるかを先に確認してください。
実務経験だけで受験する場合は7年以上
建築に関する学歴がない場合は、建築実務の経験が7年以上あれば受験できます(建築士法第15条第三号)。
この区分で申し込む場合は、実務経歴書と実務経歴証明書の作成が必要です。
センターは「実務経歴書・実務経歴証明書作成ガイドブック」を公開しており、記載方法はそこで確認できます。
実務として認められる範囲は細かく定められているため、自己判断せずガイドブックと照らし合わせるのが確実です。
建築設備士は学歴を問わず受験できる
建築設備士の資格を持っている人は、第二号(都道府県知事が特に認める者)に含まれます。
この場合、建築に関する学歴がなくても受験できます。
二級建築士試験の申し込みはインターネット受付が原則

受験資格を確認したら、次は申し込みです。
| 項目 | 内容(令和8年試験の実績) |
|---|---|
| 申込方法 | 原則としてインターネットによる受付 |
| 受付期間 | 4月1日(水)10時〜4月14日(火)16時 |
| 書類の提出期限 | 4月17日(金)当日消印有効 |
| 受験手数料 | 18,500円(非課税)+事務手続手数料 |
| 学科の試験 | 7月5日(日) |
| 学科の合格発表 | 8月24日(月)予定 |
| 設計製図の試験 | 9月13日(日) |
| 設計製図の合格発表 | 12月3日(木)予定 |
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「学歴のみ」「実務のみ」または「学歴+実務」で受験する場合、申込書類は簡易書留で送付します。
受験票や合否の判定結果はマイページからダウンロードする方式で、通知書は郵送されません。
設計製図の合格通知書は免許登録時に必要になるため、ダウンロード期限(令和9年2月末)までに必ず保存してください。
受験資格の確認が済んだら、次は学科と製図をどう分担して進めるかの検討になります。
受験資格を満たしたあとに使える二級建築士の通信講座で、料金とサポート内容を確認できます。
受験資格を満たしたら試験対策へ
受験資格の確認が終わったら、学科と設計製図の2段階をどう攻略するかの計画に移ります。
令和7年の合格率は学科の試験が40.9%、設計製図の試験が46.4%、総合で22.6%でした。
学科に合格すれば翌年以降は学科免除を受けて製図に集中できるため、まずは学科の突破を優先するのが定石です。
試験の仕組みは二級建築士の難易度と合格率で詳しく解説しています。
独学で進めるか講座を使うかの判断は二級建築士は独学で合格できる?にまとめました。
講座の比較は二級建築士の通信講座おすすめ8選をご覧ください。
取得後にどんな仕事ができるかは二級建築士の年収と仕事内容で解説しています。
斉藤さやか受験資格の確認は、学習を始める前に必ず済ませてください。単位数が足りているかは成績証明書を見ればわかりますし、迷ったらセンターに問い合わせれば済みます。ここを曖昧にしたまま教材を買うのが、いちばんもったいないパターンです。
二級建築士の受験資格に関するよくある質問
実務経験なしでも二級建築士は受験できますか?
できる場合があります。
大学・短大・高専などで指定科目を40単位修めて卒業していれば、試験時も登録時も実務経験は0年です。
単位数が20〜30単位の場合は受験はできますが、免許登録までに1〜2年の実務経験が必要です。
高卒でも受験できますか?
できます。
高等学校・中等教育学校で指定科目を20単位修めて卒業していれば、実務経験0年で受験でき、登録時に卒業後2年以上の実務経験が必要です。
15単位の場合は、受験時点で卒業後1年以上の実務経験が必要になります。
建築系の学校を出ていない場合は?
建築実務の経験が7年以上あれば、建築士法第15条第三号として受験できます。
また建築設備士の資格を持っている場合も受験できます。
受験資格を満たしているか自分で判断できません
卒業した学校・課程の指定科目については、学校からの申請にもとづきセンターが確認しています。
センターのホームページで学校ごとの確認ができるほか、判断が難しい場合はセンターまたは都道府県の建築士会に問い合わせてください。
免許登録はどこで行いますか?
センターは免許登録を扱っていません。
登録は都道府県ごとに設立されている建築士会が指定登録機関となっているため、そちらへ問い合わせます。
まとめ|「受験できる年」と「免許が取れる年」は別
- 受験資格は建築士法第15条の3区分(学歴/知事が特に認める者/実務7年以上)
- 令和2年の改正で、学歴のみの場合の実務経験は免許登録の要件へ移行した
- 大学・短大・高専で指定科目40単位なら試験時も登録時も実務経験0年
- 高校卒は20単位で受験でき、登録時に卒業後2年以上の実務経験が必要
- 指定科目は合計単位数だけでなく分類ごとの必要単位数も満たす必要がある
- 学歴要件に当てはまらない場合は建築実務7年以上、または建築設備士
受験資格の判定は単位数の確認が9割です。
条件を満たしていることがわかったら、学科の突破に向けて動き出しましょう。
二級建築士の通信講座おすすめ8選で、学科・製図それぞれの対策ができる講座を比較できます。
合格後の通知書の扱い(免許登録時に必要・マイページに期限あり)は二級建築士の合格発表はいつ?にまとめています。


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