ピラティスインストラクターが「やめとけ」と言われる理由は、仕事内容ではありません。
資格を取るまでに数十万円から100万円超かかることと、取ったあとの働き方が業務委託になりやすいことの2つです。
厚生労働省の統計では、この仕事が属する業界の離職率は産業全体より4.8ポイント高く出ています。
一方で入職率はそれを上回っていて、業界そのものは縮んでいません。
この記事では、養成コースの実額・認定までに必要な時間・離職率・契約の形を、公式情報と公的統計で確認します。
費用を抑えて適性から確かめたい場合は、オンライン完結の講座から入る方法もあります。
\オンライン完結・PMA公式認定校/
PMA公式認定校で、マットのRPT30とマシンリフォーマーのRRT30を扱っています。
編集部のアドバイス

迷っている段階でいちばん先に確認すべきなのは、養成コースの総額です。マットだけなのかマシンまで取るのかで、必要な金額が4倍以上変わります。働き方を決める前に、回収できる金額なのかを先に見てください。
ピラティスインストラクターの資格は25万円から100万円超かかる
まず、いちばん具体的な数字から確認します。
PHI Pilates Japanが公開している資格認定養成コースの受講料です。
ピラティス資格の養成コース費用一覧(PHI公式)
| コース | 受講料(税込) |
|---|---|
| Mat I/II(マット) | 254,100円 |
| Props(プロップス) | 115,269円 |
| Barrel(バレル・本体なし) | 83,790円 |
| Chair(チェア) | 168,840円 |
| Tower(タワー) | 231,000円 |
| Reformer I(リフォーマー I) | 231,000円 |
| Reformer II | 231,000円 |
| Reformer III | 231,000円 |
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マットだけとマシンまででは4倍以上違う
マットの資格だけなら254,100円です。
ただしマシンピラティスまで指導しようとすると、話が変わります。
Mat I/II に Tower と Reformer I・II・III を足すと、受講料だけで 1,178,100円 になります。
Reformer I は外部資格保持者の場合277,200円と設定されていて、他団体から移ってくる人はさらに高くなります。
「ピラティスの資格は高い」と言われるのは、この積み上げ方式が理由です。
マットだけ取ってスタジオに応募したら、求人の多くがマシン指導者を求めていた、という順序で後悔する人が出ます。
3社の公式価格を並べた一覧はピラティス資格の費用にまとめています。
斉藤さやか費用を比べるときは「1コースいくら」ではなく「どこまで指導できる状態にいくらかかるか」で見てください。マット単体とマシン込みでは4倍以上違います。
ピラティスインストラクターは修了してもすぐ認定されない
BASIは認定に500時間の実践が必要
お金だけでなく、時間の条件もあります。
BASIピラティスの指導者養成コースは、ファンデーション6日間とグラデュエイト6日間を合わせたコンプリヘンシブで12日間です。
ただし、認定には500時間の実践時間が必要とされています。
12日間のコースを終えた翌日に認定インストラクターになれるわけではありません。
受講後に実践時間を積む期間があり、その間の収入をどうするかという問題が生じます。
このギャップを知らずに仕事を辞めて受講すると、無収入の期間が想定より長くなります。
「やめとけ」と言う人の一部は、ここでつまずいた経験を指しています。
ピラティスインストラクターの資格に国家資格はない
ピラティスの資格はすべて民間資格
ピラティスの指導資格は、すべて民間団体が認定する民間資格です。
医師や看護師のような業務独占の国家資格はなく、資格がなければ指導できないという法律上の決まりもありません。
国際基準はPMA認定とNCPT
ただし「何でもあり」というわけでもありません。
国際的にはPMA(ピラティスメソッドアライアンス)の認定があり、BASIの養成コースはNCPT受験資格が得られると明記されています。
同じくPMA公式認定校であるMAJOLIは、マットのRPT30とマシンリフォーマーのRRT30を完全オンラインで提供しており、24時間いつでも視聴できる形式だと案内しています。
つまり選択肢は「通学で積み上げる」か「オンラインで基礎を取る」かに分かれます。
マシン系の費用と受講条件はマシンピラティス資格はどこで取るかで扱っています。
資格の名前だけで判断せず、PMA認定かどうかとどこまで指導できる資格なのかの2点で比べるのが実用的です。
ピラティスインストラクターが属する業界の離職率は19.0%
ここまでが取得前の話です。
次に、働き始めたあとの数字を見ます。
産業別に見た離職率の比較
ピラティススタジオやフィットネスクラブは、日本標準産業分類では「生活関連サービス業,娯楽業」に含まれます。
| 産業 | 入職率 | 離職率 |
|---|---|---|
| 産業計 | 14.8% | 14.2% |
| 生活関連サービス業,娯楽業 | 20.6% | 19.0% |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 28.4% | 25.1% |
| 医療,福祉 | 14.1% | 13.8% |
| 製造業 | 8.9% | 9.6% |
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離職率19.0%は産業計の14.2%より4.8ポイント高く、5人に1人が1年の間に離職している計算です。
正社員などの一般労働者に限ると離職率は16.9%で、産業計の11.5%を5.4ポイント上回ります。
入職率が離職率を上回っている
ただし見落とせないのが入職率です。
同じ調査で入職率は20.6%あり、離職率を1.6ポイント上回っています。
辞める人より入ってくる人のほうが多いので、人が逃げ出して縮んでいる業界ではありません。
出入りが激しいまま拡大している、と読むのが正確です。
求人が途切れないのは需要がある証拠ですが、同時に定着していないから募集が続いている可能性もあります。
求人数の多さだけを安定の根拠にしないでください。
ピラティスインストラクターの不安定さは業務委託にある
ピラティスインストラクターの3つの働き方
離職率の高さがどこから来るかというと、働き方の形です。
| 働き方 | 収入の形 | 特徴 |
|---|---|---|
| スタジオの正社員 | 固定給+手当 | 収入は安定するがシフトや店舗異動がある |
| 業務委託(フリーランス) | レッスン単価×本数 | 単価は高くなりやすいが本数が減れば収入も減る |
| 自主開催・副業 | 参加費×人数 | 集客を自分で担う。会場費などの固定費がかかる |
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業務委託は休むと収入が止まる
業務委託は「1レッスンいくら」で支払われます。
体調を崩してレッスンに立てない期間は、原則として収入が止まります。
雇用されている場合と違い、有給休暇や各種手当が当然には付いてきません。
養成コースに100万円近く払ったあとで、この収入構造に入ることになります。
費用の重さと収入の不安定さが重なるのが、この仕事の難しいところです。
ピラティスインストラクターとフリーランス法の関係
フリーランス法で発注側に課された義務
2024年11月1日に、フリーランスとして働く人を保護する法律が施行されました。
正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」、通称フリーランス・事業者間取引適正化等法です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 義務 | 業務委託をしたときの取引条件を書面等で明示すること |
| 義務 | 報酬の支払期日についてのルールを守ること |
| 禁止 | 報酬の減額、受領拒否など |
| 義務 | 育児介護等への配慮、ハラスメントに関する相談体制の整備 |
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スタジオと業務委託契約を結ぶとき、レッスン単価や支払日を口頭だけで済ませる契約は法律が想定している形ではありません。
契約条件を書面で示すかどうかは、そのスタジオの運営姿勢を測る材料になります。
斉藤さやか「やめとけ」と言われてきた働き方の不安定さは、制度の側が少しずつ埋めています。契約書を出さないスタジオを避ける、という具体的な防ぎ方ができるようになりました。
ピラティスインストラクターをやめたほうがいい人・向いている人
ここまでの数字を踏まえると、判断の軸ははっきりします。
やめたほうがいいのは次の場合です。
- 養成コースの費用を、回収できる前提で借り入れて払おうとしている
- 仕事を辞めて受講し、修了後すぐ収入が戻る前提で計画している(BASIは認定に500時間の実践が必要)
- マシン指導まで求められる求人を見ているのに、マットだけの資格で応募しようとしている
- 固定収入が途切れると生活が成り立たない状態で、業務委託から始めようとしている
向いているのは次の場合です。
- 本業や家庭の収入があり、副業やパートから本数を増やしていける
- まずマットのオンライン講座で適性を確かめ、続けられそうならマシンに広げる段取りが組める
- 資格取得後に集客や指導実績づくりまで自分で動ける
離職率が高い業界であることは変えられませんが、入口の順番は選べます。
いきなり100万円のコースに申し込まず、金額の小さいところから適性を確かめる進め方なら、損失は限定できます。
オンライン完結の講座なら、通学の時間を確保できるか分からない段階でも始められます。
\まずマット資格から試す/
ピラティスインストラクターのやめとけに関するよくある質問
資格取得にいくらかかりますか?
PHI Pilates Japanの公式価格では、マットのMat I/IIが254,100円(税込)です。
Tower・Reformer I〜IIIまで加えると受講料の合計は1,178,100円になります。
団体とコースの範囲で大きく変わるため、どこまで指導したいかを決めてから総額を比べてください。
ピラティスインストラクターの離職率は高いですか?
この仕事が属する「生活関連サービス業,娯楽業」の離職率は、令和6年の雇用動向調査で19.0%でした。
産業計の14.2%より4.8ポイント高い数字です。
ただし入職率は20.6%で離職率を上回っており、人が減り続けている業界ではありません。
資格を取ればすぐ働けますか?
団体によります。
BASIピラティスはコース自体は12日間ですが、認定には500時間の実践時間が必要とされています。
修了と認定が別物である点は、受講前に必ず確認してください。
国家資格はありますか?
ありません。
ピラティスの指導資格はすべて民間資格で、資格がなければ指導できないという法律上の決まりもありません。
国際的な基準としてはPMA認定とその認定試験(NCPT)があります。
業務委託と正社員はどちらがいいですか?
収入の安定を優先するなら雇用、単価と自由度を優先するなら業務委託です。
業務委託には2024年11月1日施行のフリーランス・事業者間取引適正化等法が適用され、取引条件の明示などが発注側の義務になっています。
契約条件を書面で示さないスタジオは避けたほうが安全です。
未経験の主婦でも目指せますか?
目指せます。
業界の入職率は20.6%と産業計の14.8%より高く、中途で入ってくる人が多い業界です。
ただし費用が先に出ていくので、オンラインのマット資格から始めて適性と時間の確保を確かめる順番が無理のない進め方です。
まとめ:ピラティスインストラクターは費用が高く契約が不安定
ピラティスインストラクターの「やめとけ」を実額と公的データで確認すると、こうなります。
- 養成コースはマットだけで254,100円、マシンまで揃えると1,178,100円(PHI公式)
- BASIは12日間のコースでも認定には500時間の実践が必要
- 国家資格はなく、国際基準はPMA認定とNCPT
- 属する業界の離職率は19.0%で産業計より4.8ポイント高い
- 一方で入職率20.6%が離職率を上回り、業界は縮んでいない
- 不安定さの正体は業務委託という契約の形で、2024年11月施行のフリーランス法が適用される
辞める理由の多くは、仕事内容ではなく費用の回収と契約条件にあります。
資格を選ぶ前に「どこまで指導したいか」と「どの働き方で始めるか」を決めておくと、数字に振り回されずに済みます。
ヨガの資格と比べて検討している場合はヨガインストラクターの通信講座比較も参考にしてください。
出典一覧
- PHIPilatesJapan「資格認定養成コース」(2026年10月3日確認)
- BASIPilatesJapan「指導者養成コース」(2026年10月3日確認)
- MAJOLI「オンラインピラティス資格講座」(2026年10月3日確認)
- 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」
- 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法パンフレット」


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