アロマセラピストの年収を調べると、いろいろな金額が出てきます。
ただ、その出どころをたどると求人サイトの掲載データや専門学校の記事に行き着きます。
公的な統計に「アロマセラピスト」という職種区分が存在しないからです。
日本標準職業分類にもなく、賃金構造基本統計調査の職種区分にもありません。
つまり「アロマセラピストの平均年収は◯◯万円」という公的な数字は、そもそも作られていません。
この記事では、何が分かっていて何が分かっていないのかを切り分けます。
編集部のアドバイス

「アロマセラピストの平均年収」という数字を見たら、まず出どころを確認してください。公的統計にこの職種の区分はないので、根拠になりうるのは求人票の集計か、事業者の独自調査のどちらかです。どちらも母集団の取り方で結果が動きます。
アロマセラピストの年収が公的統計に載らない理由

国が職業を分類する枠組みは2つあります。
1つは総務省の日本標準職業分類、もう1つは厚生労働省の賃金構造基本統計調査の職種区分です。
どちらにもアロマセラピストという項目はありません。
| 分類 | アロマセラピストの扱い | 最も近い区分 |
|---|---|---|
| 日本標準職業分類 | 独立した項目なし | E-38-383 美容サービス従事者(美容師を除く) |
| 賃金構造基本統計調査 | 独立した集計区分なし | 1383 美容サービス・浴場従事者(美容師を除く) |
← 横にスクロールできます →
日本標準職業分類の小分類は約330項目あります。
そのなかにアロマセラピストという名前は出てきません。
最も近いのは「美容サービス従事者(美容師を除く)」という区分です。
ここにはエステティシャンやネイリストなども含まれる広い箱で、アロマセラピストだけを取り出すことはできません。
賃金構造基本統計調査でも同じ構造です。
この調査は職種ごとに賃金を集計していますが、集計対象の職種区分にアロマセラピストはありません。
近いのは「美容サービス・浴場従事者(美容師を除く)」で、これも同じく広い箱です。
区分がないので集計もされず、集計されないので公的な平均年収も存在しない、という順番です。
斉藤さやかここを押さえておくと、検索して出てくる年収の数字の読み方が変わります。「公的な数字がないから各社が独自に出している」のであって、「隠されている」わけではありません。
アロマセラピストの年収は産業別の賃金で当たりをつける

職種で測れない以上、代理指標になるのは産業別の賃金です。
アロマサロンは日本標準産業分類の「生活関連サービス業,娯楽業」に含まれます。
医療機関や福祉施設で働く場合は「医療,福祉」になります。
| 区分 | 賃金(月額) |
|---|---|
| 産業計 | 340.6千円 |
| 生活関連サービス業,娯楽業 | 295.2千円 |
| 医療,福祉 | 315.7千円 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業(最高) | 444.0千円 |
| 宿泊業,飲食サービス業(最低) | 277.2千円 |
← 横にスクロールできます →
いずれも一般労働者・男女計・年齢計の数字です。
産業計との差を出すと、位置関係がはっきりします。
| 区分 | 賃金(月額) | 産業計との差 |
|---|---|---|
| 生活関連サービス業,娯楽業 | 295.2千円 | -45.4千円 |
| 医療,福祉 | 315.7千円 | -24.9千円 |
| 産業計 | 340.6千円 | ― |
← 横にスクロールできます →
※差は当サイトで算出
どちらも産業計を下回りますが、サロン系より医療・福祉系のほうが高い並びです。
ただし、これはあくまで産業全体の平均です。
その産業で働く全職種が入っているので、アロマセラピストの賃金として読むことはできません。
この数字にできるのは「どのくらいの水準の産業なのか」という当たりをつけることだけです。
アロマセラピストの働く場所が1つに定まらない
そもそも1つの相場が成り立ちにくい理由が、働く場所の分散にあります。
AEAJが公開している資格取得者アンケートを見ると、業種がばらけています。
| 受験者の業種 | 割合 |
|---|---|
| 理美容・エステ関連 | 17% |
| 医療関連 | 15% |
| 福祉関連 | 6% |
← 横にスクロールできます →
※第46〜47回アンケート・回答数146人
上位3業種を足しても38%です。
残る62%はこの3つ以外ということになります(当サイトで算出)。
AEAJが想定している活動の場も複数あります。
| 公式が挙げる進路 | 収入の形 |
|---|---|
| アロマセラピストとしてサロンに勤務したい | 給与 |
| アロマセラピストとしてサロンを経営したい | 売上から経費を引いた事業所得 |
| 病院や施設などでトリートメントを行いたい | 給与または業務委託 |
| 一般の人に全身トリートメントを行いたい | 施術単価×客数 |
← 横にスクロールできます →
サロンに雇われるのか、自分で開業するのか、医療・福祉の現場で行うのかで収入の形はまったく変わります。
雇用されれば給与、開業すれば売上から経費を引いた事業所得です。
同じ資格でも所得の性質が違うので、1つの平均値に丸めること自体に無理があります。
アロマセラピストの資格は維持にお金がかかる

収入の話をするなら、出ていく側も見ておく必要があります。
アロマセラピストは取得して終わりの資格ではありません。
| 費目 | 金額 | タイミング |
|---|---|---|
| アロマテラピー検定1級 受験料 | 6,600円(税込) | 取得時 |
| AEAJ入会金 | 10,000円(不課税) | 初年度のみ |
| AEAJ年会費 | 12,000円(不課税) | 毎年 |
| アドバイザー認定講習会(AEAJ直接開催) | 9,966円(税込) | 取得時 |
| アドバイザー資格登録認定料 | 10,450円(税込) | 取得時 |
| 共通学科試験 受験料 | 5,236円(税込) | 取得時 |
| アロマセラピスト資格登録認定料 | 10,450円(税込) | 取得時 |
| 合計 | 64,702円 | ― |
← 横にスクロールできます →
※合計は当サイトで算出
これはAEAJに支払う分だけの金額です。
AEAJ認定スクールで履修する実技カリキュラムの費用は各スクールが設定し、公式には記載がありません。
そのうえで毎年12,000円の年会費がかかります。
AEAJは「資格の継続には、毎年会員更新が必要です」と明記しています。
さらに、退会すると資格そのものが失効します。
公式Q&Aは「アロマセラピスト資格は、会員であることが資格取得の条件となっており、取得後も継続して会員であることで資格を保持できます。
退会すると資格は失効します」と回答しています。
年会費12,000円は10年で120,000円です(当サイトで算出)。
収入に結びつく使い道があるかどうかが、この固定費に見合うかの分かれ目になります。
斉藤さやか年収を調べている段階でここまで見る人は少ないと思いますが、資格を維持するコストは確実に発生します。取得費用64,702円より、毎年の12,000円のほうが長い目では効いてきます。
収入の見通しを立てる前に、入口にかかる費用を押さえておくと計算しやすくなります。
アロマの通信講座を費用で比較で、料金とサポート内容を確認できます。
アロマセラピストの年収を自分で見積もる手順
公的な平均がない以上、自分の条件で組み立てるしかありません。
材料になるのは、公的統計ではなく手元で確認できる情報です。
| 確認するもの | どこで分かるか |
|---|---|
| 勤務先の給与水準 | 求人票の月給・時給の記載 |
| 歩合の有無と率 | 求人票または面接での確認 |
| 資格手当の有無 | 勤務先の給与規程 |
| 開業する場合の単価と客数 | 近隣サロンの料金表と営業時間 |
| 固定費 | 家賃・精油などの材料費・年会費12,000円 |
← 横にスクロールできます →
雇用される場合は、求人票の金額がそのまま出発点になります。
産業別の賃金で言えば、サロン勤務は生活関連サービス業,娯楽業の295.2千円、医療機関や福祉施設なら医療,福祉の315.7千円がおおよその目安の位置です。
開業する場合は考え方が変わります。
| 項目 | 雇用される場合 | 開業する場合 |
|---|---|---|
| 収入の出どころ | 勤務先からの給与 | 施術の売上 |
| 変動する要素 | 歩合・資格手当 | 単価・客数・稼働日数 |
| 差し引くもの | 社会保険料・税 | 材料費・家賃・税 |
| 収入が読める度合い | 求人票で事前に分かる | 自分で置くしかない |
← 横にスクロールできます →
売上から材料費と家賃を引いたものが所得になるので、単価と客数を自分で置く必要があります。
AEAJのアンケートで受験動機の1位が「仕事のスキルアップのため」85%だったことを踏まえると、多くの人はすでに仕事を持ったうえで取得しています。
その場合の見積もりは「アロマセラピストの年収」ではなく「いまの仕事にどれだけ上乗せできるか」になります。
アロマセラピストの年収に関するよくある質問
アロマセラピストの平均年収はいくらですか
公的な平均年収は存在しません。
日本標準職業分類にも賃金構造基本統計調査の職種区分にもアロマセラピストという項目がないためです。
検索で出てくる金額は求人サイトの掲載データや事業者の独自集計で、母集団の取り方によって結果が変わります。
なぜアロマセラピストの年収データがないのですか
職業分類に独立した区分がないからです。
最も近いのは日本標準職業分類のE-38-383「美容サービス従事者(美容師を除く)」ですが、エステティシャンなども含む広い区分で、アロマセラピストだけを取り出すことはできません。
代わりに使える公的な数字はありますか
産業別の賃金が代理指標になります。
令和7年賃金構造基本統計調査では、サロンが含まれる生活関連サービス業,娯楽業が295.2千円、医療機関や福祉施設が含まれる医療,福祉が315.7千円です。
ただし産業全体の平均なので、アロマセラピストの賃金として読むことはできません。
アロマセラピストの資格を取ると給料は上がりますか
公的に確認できるデータはありません。
AEAJのアンケートでは受験動機の1位が「仕事のスキルアップのため」85%ですが、これは動機であって結果ではありません。
資格手当があるかどうかは勤務先の給与規程によります。
アロマセラピストの資格維持にいくらかかりますか
毎年12,000円の年会費です。
AEAJは「資格の継続には、毎年会員更新が必要です」と明記しており、退会すると資格は失効します。
取得までにAEAJへ支払う費用は合計64,702円で、これとは別に認定スクールの実技カリキュラム費用がかかります。
まとめ|アロマセラピストの年収は公的統計では測れない
- 日本標準職業分類にアロマセラピストという項目はない
- 賃金構造基本統計調査の職種区分にもアロマセラピストはない
- 最も近いのはE-38-383「美容サービス従事者(美容師を除く)」で、エステなども含む広い区分
- 区分がないので集計もされず、公的な平均年収は作られていない
- 検索で出る金額は求人データか事業者の独自集計で、母集団の取り方で動く
- 代理指標は産業別の賃金で、生活関連サービス業,娯楽業が295.2千円
- 医療,福祉は315.7千円で、サロン系より高い並びになる
- 産業計は340.6千円で、生活関連サービス業,娯楽業はこれを45.4千円下回る
- ただし産業全体の平均なので、アロマセラピストの賃金としては読めない
- AEAJのアンケートでは業種が理美容・エステ17%、医療15%、福祉6%とばらける
- 上位3業種を足しても38%で、残る62%はそれ以外
- 雇用か開業かで所得の性質が変わるため、1つの平均に丸めること自体に無理がある
- 取得にAEAJへ支払う費用は合計64,702円で、認定スクールの実技費用は別途
- 資格の維持には毎年12,000円の年会費が必要で、退会すると失効する
- 受験動機の1位は「仕事のスキルアップのため」85%で、多くは既存の仕事への上乗せ
資格そのものの中身はアロマセラピストとはで整理しています。
適性の判断材料はアロマセラピストに向いてる人でまとめました。
検定やアドバイザーまでを講座で対策する場合はアロマテラピー通信講座おすすめ比較を参考にしてください。


コメント