登録販売者試験の難易度は、合格率だけでは測れません。
令和7年度の全国合格率は40.7%ですが、都道府県別では23.2%から54.8%まで31.6ポイント開いています。
難易度の実体をつくっているのは、次の3つです。
120問240分という分量、総得点7割程度という基準、そして項目ごとの足切りが都道府県知事に委ねられていること。
この記事では、厚生労働省の実施要領と18年分の実施状況から、登録販売者の難易度を具体的に測り直します。
5項目すべてを一定水準まで上げる必要があるため、範囲を体系的に追える教材を使うと抜けが出にくくなります。
編集部のアドバイス

「総得点で7割取ればいい」と考えると落ちます。項目ごとに足切りがあり、その基準は都道府県が決めます。苦手な項目を捨てる作戦が成立しない試験です。
登録販売者の難易度は合格率40.7%という数字だけでは分からない
まず数字の前提を確認します。
全国平均は40.7%、都道府県別は23.2〜54.8%
令和7年度の実施状況では、受験者58,996名に対して合格者24,004名、合格率40.7%でした。
| 区分 | 合格率 |
|---|---|
| 全国平均 | 40.7% |
| 最高(北海道) | 54.8% |
| 最低(沖縄県) | 23.2% |
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同じ試験でも、受ける地域によって難易度の体感は大きく変わります。
18年分で見ると4割台が標準
制度初年度の平成20年度は68.3%でしたが、これは受験資格に実務経験が必要だった時期の数字です。
平成21年度以降は41.3%から49.3%の範囲で推移してきました。
令和7年度の40.7%は、この17年間でもっとも低い値です。
数字の推移は登録販売者の合格率で全年度を扱っています。
登録販売者の難易度を決めるのは120問240分という分量
試験の構成は全国共通です。
5つの試験項目と出題数
厚生労働省の実施要領は、出題数と配分時間を次のように定めています。
| 試験項目 | 出題数 | 配分時間 |
|---|---|---|
| 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 | 40分 |
| 人体の働きと医薬品 | 20問 | 40分 |
| 主な医薬品とその作用 | 40問 | 80分 |
| 薬事関係法規・制度 | 20問 | 40分 |
| 医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 | 40分 |
| 合計 | 120問 | 240分 |
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1問あたり2分の計算です。
配点の3分の1は「主な医薬品とその作用」
120問のうち40問、つまり3分の1がこの項目に集中しています。
成分名と効能・効果、副作用を結びつけて覚える範囲で、暗記量がもっとも多い部分です。
実施要領は出題方針として、主要な成分について「第二類医薬品及び第三類医薬品に分類される医薬品の販売実態に照らし、主な薬効群としてみれば、ほとんどのものが含まれる範囲とすること」としています。
範囲を絞り込みにくい構造になっています。
出題範囲の原典は426ページある
出題は、厚生労働省が公開している「試験問題の作成に関する手引き」から行われます。
令和8年4月版は426ページです。
実施要領は、この手引きを「原則として年1回改訂する」としています。
ただし救済措置もあり、都道府県知事が試験の施行を公告した後に手引きが改訂された場合、その改訂部分からは出題しないと定められています。
登録販売者の難易度の本体は項目ごとの足切り
ここが他の資格試験と大きく違う点です。
合格基準は「7割程度」と「都道府県知事が定める一定割合」の2段構え
実施要領の合格基準は次のとおりです。
「総出題数に対して7割程度の正答の場合であって、各試験項目ごとに、都道府県知事が定める一定割合以上の正答のときに合格とすること」
条件は2つあります。
- 総出題数120問に対して7割程度の正答
- 各試験項目ごとに、都道府県知事が定める一定割合以上の正答
前者は全国共通の目安ですが、後者には全国一律の数値が示されていません。
総得点で7割取っても落ちることがある
仮に総得点で84問正解したとします。
120問の7割は84問なので、1つ目の条件は満たします。
しかし特定の項目だけ正答が極端に少ない場合、2つ目の条件で不合格になり得ます。
苦手な項目を切り捨てて得意な項目で稼ぐ戦い方が通用しません。
全項目をまんべんなく仕上げる必要があるので、添削で弱点を指摘してもらえる講座も検討できます。
5項目すべてを一定水準まで引き上げる必要があり、これが難易度の本体です。
基準は試験の後に公表される
実施要領は「試験問題、正答及び合格基準については、試験実施後に公表することとする」と定めています。
受験前に、その年の自分の受験地の足切りラインを知ることはできません。
斉藤さやか「何点取れば受かるか」が事前に分からない試験です。基準点を狙うのではなく、5項目とも落とさない状態をつくるのが唯一の対策になります。
登録販売者の難易度が地域で変わる仕組み
合格率が31.6ポイント開く理由は制度側にあります。
実施主体は国ではなく都道府県
登録販売者試験を実施し、合否を決定するのは都道府県です。
問題も都道府県(または共同実施する都道府県のまとまり)が作成します。
国会は難易度の格差に釘を刺している
実施要領には、参議院厚生労働委員会の附帯決議が引用されています。
「国の関与の下に、都道府県によって難易度等に格差が生じないようにするとともに、その内容についても一定の水準が保たれるよう指導を行うこと」という内容です。
実施要領はその対応として、都道府県が共同で試験問題を作成することを「難易度等に格差を生じさせないためには効果的な方法」とし、共同作成した都道府県は試験実施時期を調整して同日に実施する必要があるとしています。
それでも31.6ポイントの差が残っている
令和7年度の実測では、最高の北海道54.8%と最低の沖縄県23.2%で31.6ポイント開きました。
前年と比較できる39都道府県等のうち、35で合格率が低下しています。
下げ幅は鳥取県の−17.1ポイントが最大でした。
難易度を測るとき、全国平均だけを見ると実態から離れます。
登録販売者の難易度は他の条件とどう比べるか
受験のハードルそのものは高くありません。
受験資格の実務経験要件と学歴要件は廃止されている
かつては大卒・高卒で1年、中卒で4年の実務経験が受験資格に必要でした。
現在はこの実務経験要件と学歴要件が廃止され、誰でも受験できます。
合格後に管理者になるには2年の実務経験が必要
ただし試験に受かることと、店舗で管理者として働けることは別です。
管理者・管理代行者になるには、過去5年間のうち2年間の実務・業務経験が必要とされています。
それまでの間は、管理者・管理代行者の管理・指導の下で実務に従事します。
薬局等には勤務経験の記録・保存義務があり、求めに応じて勤務経験を証明することが義務づけられています。
試験は年1回以上、定期的に実施される
実施要領は「少なくとも年1回以上、定期的に実施する」と定めています。
年1回しか機会がない試験と比べると、受験のタイミングは取りやすい制度です。
受験手数料は都道府県が定めるため地域によって異なります。
金額は受験予定地の公告で確認してください。
登録販売者の難易度に関するよくある質問
登録販売者は難しいですか?
令和7年度の全国合格率は40.7%です。
ただし都道府県別では23.2%から54.8%まで開くため、受験地によって体感は変わります。
何点取れば合格できますか?
総出題数120問に対して7割程度が目安です。
あわせて各試験項目で都道府県知事が定める一定割合以上の正答が必要で、この基準は試験実施後に公表されます。
苦手な分野を捨てても合格できますか?
できません。
項目ごとに足切りがあるため、総得点が7割に届いても特定項目の正答が少なければ不合格になり得ます。
試験時間は足りますか?
120問を240分で解くため、1問あたり2分の計算です。
出題数が最多の「主な医薬品とその作用」には80分が配分されています。
受験資格はありますか?
実務経験要件と学歴要件は廃止されています。
ただし管理者・管理代行者になるには、過去5年間のうち2年間の実務・業務経験が必要です。
出題範囲はどこで確認できますか?
厚生労働省が「試験問題の作成に関する手引き」を公開しています。
令和8年4月版は426ページで、原則として年1回改訂されます。
まとめ:登録販売者の難易度は「5項目とも落とさない」ことで決まる
登録販売者の難易度について、公式情報から整理すると次のとおりです。
- 令和7年度の全国合格率は40.7%、都道府県別は23.2〜54.8%で31.6ポイント差
- 平成21年度以降の17年間では41.3〜49.3%が標準で、令和7年度は最低値
- 試験は120問240分、うち「主な医薬品とその作用」が40問で3分の1を占める
- 出題範囲の原典である手引きは426ページ、原則年1回改訂
- 合格基準は総得点7割程度に加えて、項目ごとに都道府県知事が定める一定割合以上
- 基準は試験実施後に公表されるため、受験前には分からない
- 受験資格の実務経験・学歴要件は廃止済み、管理者になるには過去5年で2年の実務経験
- 公告後に手引きが改訂された場合、その改訂部分からは出題されない
苦手な項目を残したまま総得点で稼ぐ作戦が成り立たないのが、この試験の難しさです。
必要な学習量は登録販売者の勉強時間、独学で届くかは登録販売者は独学で受かるかで扱っています。
取る価値を先に判断したい場合は登録販売者は意味ないのかも参考にしてください。
出典一覧
- 厚生労働省「登録販売者試験実施要領」(2026年10月5日確認)
- 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(2026年10月5日確認)
- 厚生労働省医薬局「令和7年度登録販売者試験実施状況」(令和8年3月31日現在/2026年10月5日確認)
- 厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」(2026年10月5日確認)
- 厚生労働省「登録販売者試験の実務経験等の省令改正の概要」(2026年10月5日確認)


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