登録販売者が「意味ない」と言われる背景には、有資格者が増えたという事実があります。
厚生労働省が公表している平成20年度から令和7年度までの実施状況を合算すると、延べ合格者は408,202名です。
一方で、資格そのものの位置づけは制度上はっきりしています。
一般用医薬品のうち第二類・第三類医薬品を販売できるのは、薬剤師か登録販売者だけだからです。
この記事では、「意味ない」と言われる根拠と、制度上の裏づけを公表データで切り分けます。
取ると決めている場合は、学習期間と費用を先に確認しておくと動き出しが早くなります。
編集部のアドバイス

「意味ない」と言われる理由の多くは、資格を取ること自体ではなく、取ったあとに管理者になれるかどうかの話です。ここを分けて考えると判断しやすくなります。
登録販売者が「意味ない」と言われる3つの理由
まず言われている内容を確認します。
有資格者が延べ40万人を超えている
平成20年度から令和7年度までの18年分を合算すると、延べ受験者885,330名、延べ合格者408,202名です。
通算の合格率は46.1%になります。
| 期間 | 延べ受験者 | 延べ合格者 | 通算合格率 |
|---|---|---|---|
| 平成20年度〜令和7年度 | 885,330名 | 408,202名 | 46.1% |
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※厚生労働省の年度別公表値を当サイトで合算。
同一人が複数の試験を受験している可能性があるため延べ人数
希少性という意味では、取得者が少ない資格ではありません。
合格しても管理者にはすぐなれない
試験に合格することと、店舗で管理者として働けることは別の段階です。
管理者・管理代行者になるには、過去5年間のうち2年間の実務・業務経験が必要とされています。
それまでの間は、管理者・管理代行者の管理・指導の下で実務に従事します。
また管理者要件を満たす登録販売者と、それ以外の登録販売者は名札で区分されます。
「資格を取ったのにできることが増えない」と感じる期間が生まれるのは、この仕組みのためです。
受験のハードルが下がっている
かつては受験に実務経験が必要でした。
大卒・高卒で1年、中卒で4年という要件です。
現在はこの実務経験要件と学歴要件が廃止され、誰でも受験できます。
入口が広がったことが、有資格者の増加と「価値が下がった」という見方につながっています。
登録販売者が「意味ない」と言い切れない制度上の理由
一方で、制度側の裏づけははっきりしています。
第二類・第三類医薬品を売れるのは薬剤師か登録販売者だけ
登録販売者は、薬事法(現在の医薬品医療機器等法)の改正でつくられた資格です。
厚生労働省の実施要領は、登録販売者を「医薬品の販売の最前線で実際に購入者等に対して情報提供及び相談対応を行うもの」と位置づけています。
一般用医薬品の大半は第二類・第三類医薬品に分類されます。
実施要領も、試験で問う成分の範囲について「第二類医薬品及び第三類医薬品に分類される医薬品の販売実態に照らし、主な薬効群としてみれば、ほとんどのものが含まれる範囲とすること」としています。
市販薬の売り場を開けておくために必要な資格だという点は、取得者数とは関係なく成立します。
試験は国が水準を管理している
登録販売者試験は都道府県が実施しますが、国が関与する設計になっています。
実施要領には、参議院厚生労働委員会の附帯決議が引用されています。
「国の関与の下に、都道府県によって難易度等に格差が生じないようにするとともに、その内容についても一定の水準が保たれるよう指導を行うこと」という内容です。
出題範囲も厚生労働省が「試験問題の作成に関する手引き」として公開し、原則年1回改訂しています。
令和8年4月版は本文418ページです。
一定の知識水準を担保する仕組みが制度に組み込まれています。
名札の区分は「意味がある」ことの裏返し
管理者要件を満たす登録販売者とそれ以外を名札で区分する仕組みは、一見すると不利な扱いに見えます。
ただしこれは、どの登録販売者がどこまでできるかを購入者に示すための制度です。
薬局等には勤務経験の記録・保存義務があり、求めに応じて勤務経験を証明することが義務づけられています。
経験が積み上がれば扱いが変わる設計になっています。
斉藤さやか「意味ない」と感じるのは、たいてい合格から管理者要件を満たすまでの2年間です。その期間をどう過ごすかで評価が変わります。
登録販売者の難しさは「意味ない」と釣り合っているか
取得コストの側も見ておきます。
合格率は令和7年度で40.7%
令和7年度の全国合格率は40.7%で、受験者58,996名に対し合格者24,004名でした。
制度初年度の平成20年度68.3%を除くと、過去17年間でもっとも低い数字です。
| 年度 | 合格率 |
|---|---|
| 令和3年度 | 49.3% |
| 令和4年度 | 44.4% |
| 令和5年度 | 43.7% |
| 令和6年度 | 46.7% |
| 令和7年度 | 40.7% |
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誰でも受験できるようになった一方で、合格率が上がっているわけではありません。
地域によって合格率は2倍以上違う
令和7年度の都道府県別は、最高の北海道54.8%から最低の沖縄県23.2%まで31.6ポイント開いています。
前年と比較できる39都道府県等のうち、35で合格率が低下しました。
数字の詳細は登録販売者の合格率で扱っています。
全項目に足切りがある
合格基準は「総出題数に対して7割程度の正答の場合であって、各試験項目ごとに、都道府県知事が定める一定割合以上の正答のとき」とされています。
120問のうち特定の項目を捨てる戦い方は成立しません。
しかも基準は試験実施後に公表されるため、受験前には分かりません。
受験のハードルは下がりましたが、試験そのものが易しくなったわけではないという点は押さえておいてください。
登録販売者が向いている人と、向いていない人
ここまでを判断に落とします。
登録販売者を取る意味が薄い人
次のような場合は、費やす時間に対して得られるものが小さくなります。
- 資格名そのもので評価や単価を動かしたい(延べ合格者は408,202名)
- すぐに管理者として働きたい(過去5年のうち2年の実務・業務経験が必要)
- 医薬品の販売に関わる予定がない
登録販売者を取る意味がある人
反対に、次の条件なら制度上の裏づけと噛み合います。
- ドラッグストアや薬局、医薬品を扱う小売で働く予定がある
- 第二類・第三類医薬品の販売を担当したい
- 勤務先で勤務経験の記録が残り、将来的に管理者を目指せる
- 市販薬の成分と副作用を体系的に理解したい
実施要領は、登録販売者に求める知識として、副作用等への対処、医薬品副作用被害救済制度の説明、薬事関連法規の遵守などを挙げています。
販売の現場で使う知識がそのまま試験範囲になっています。
働きながら取得を目指す場合は、サポート期間が長い講座を選ぶ方法もあります。
登録販売者が意味ないかに関するよくある質問
登録販売者の有資格者は何人いますか?
平成20年度から令和7年度までの延べ合格者は408,202名です。
同一人が複数の試験を受験している可能性があるため、延べ人数として公表されています。
登録販売者は国家資格ですか?
薬事法(現在の医薬品医療機器等法)の改正により制度化された資格で、都道府県知事が試験を実施します。
合格したらすぐ一人で販売できますか?
管理者・管理代行者になるには、過去5年間のうち2年間の実務・業務経験が必要です。
それまでは管理者・管理代行者の管理・指導の下で実務に従事します。
誰でも受験できるのに価値はありますか?
受験資格は廃止されていますが、合格率は令和7年度で40.7%です。
項目ごとの足切りもあるため、取得の難しさが消えたわけではありません。
第一類医薬品も売れますか?
実施要領は「第一類医薬品については、登録販売者が販売又は授与するものではない」としています。
資格を取ると何が変わりますか?
第二類・第三類医薬品の販売と、購入者への情報提供・相談対応ができるようになります。
管理者としての扱いは実務経験を満たしてからです。
まとめ:登録販売者が意味ないかは「2年後」まで見て判断する
登録販売者について、公表データから整理すると次のとおりです。
- 平成20年度から令和7年度までの延べ合格者は408,202名、通算合格率46.1%
- 受験資格の実務経験要件・学歴要件は廃止され、誰でも受験できる
- ただし管理者・管理代行者には過去5年間のうち2年間の実務・業務経験が必要
- 管理者要件を満たす登録販売者とそれ以外は名札で区分される
- 令和7年度の合格率は40.7%で、初年度を除く17年間で最低
- 都道府県別では23.2〜54.8%と31.6ポイントの差がある
- 合格基準は総得点7割程度に加えて項目ごとの足切りがあり、試験後に公表される
- 一般用医薬品の大半を占める第二類・第三類医薬品を販売できるのは薬剤師か登録販売者
資格名で評価を動かしたい人には噛み合わず、販売の現場で働く予定がある人には制度上の裏づけがある資格です。
難易度は登録販売者の難易度、学習量は登録販売者の勉強時間で扱っています。
講座を使うかどうかの比較は登録販売者の通信講座おすすめを参考にしてください。
出典一覧
- 厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」(平成20年度〜令和7年度の各PDF/2026年10月5日確認)
- 厚生労働省医薬局「令和7年度登録販売者試験実施状況」(2026年10月5日確認)
- 厚生労働省「登録販売者試験実施要領」(2026年10月5日確認)
- 厚生労働省「登録販売者試験の実務経験等の省令改正の概要」(2026年10月5日確認)
- 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(2026年10月5日確認)


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