診療報酬請求事務能力認定試験は、2025年12月14日の第63回をもって終了しました。
実施していた公益財団法人 日本医療保険事務協会も、2026年3月31日に解散しています。
合格証明書の発行受付も2026年2月27日で終わっているため、過去に合格した人でも今から証明書を取り直すことはできません。
この記事では、協会が公表していた第1回から第63回までの実績と終了の理由、そして今から受けられる代わりの資格を整理します。
編集部のアドバイス

協会の公式サイトは現在トップページだけが残っており、試験概要や試験実績のページはすべて表示できなくなりました。この記事の数値は閉鎖前に公表されていた公式ページから引いています。いま「試験概要」を案内している記事を見かけたら、更新されていない可能性が高いと考えてください。
診療報酬請求事務能力認定試験の終了スケジュール

協会が2025年11月19日に公表したスケジュールです。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2025年12月14日(日) | 第63回試験を実施(最終) |
| 2026年2月20日(金) | 第63回の合格者発表 |
| 2026年2月27日(金) | 合格証明書 発行受付の終了(必着) |
| 2026年3月31日(火) | 協会の解散。ホームページ・電話・FAXを閉鎖 |
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協会は「2026年3月以降に合格証明書交付申請書が届きましても発行はできません」と明記していました。
申請書と手数料の切手が届いた場合は返送する、という案内でした。
また「郵送された合格証明書交付申請書以外での受験状況のお問い合わせ(例:電話、FAXなど)には一切お答えできません」とも記載されていました。
2026年9月時点で公式サイトはトップページのみが残り、試験概要や試験実績のページはいずれも表示できません。
斉藤さやか合格証明書が取れなくなっている点は、就職や転職で証明を求められる人にとっていちばん重い変更だと思います。手元の合格証書は大切に保管しておいてください。
診療報酬請求事務能力認定試験の合格率は通算30.9%だった

第1回から第63回までの累計実績です。
| 項目 | 医科 | 歯科 | 計 |
|---|---|---|---|
| 受験者数 | 423,389人 | 10,789人 | 434,178人 |
| 合格者数 | 130,272人 | 4,087人 | 134,359人 |
| 合格率 | 30.8% | 37.9% | 30.9% |
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43万人以上が受験し、13万人以上が合格した試験でした。
通算の合格率は30.9%で、医科は30.8%、歯科は37.9%です。
歯科のほうが一貫して高い水準でしたが、受験者数は医科の約40分の1でした。
なお実施されたのは62回です。
第52回(令和2年7月12日実施予定)は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い中止されました。
合格率は回ごとに24.3%から48.2%まで振れていた
実施62回の合格率(計)は、最低24.3%(第30回)から最高48.2%(第59回)まで動いています。
平均は31.9%でした。
終盤5回の推移です。
| 回 | 受験者数(計) | 合格者数(計) | 合格率(計) |
|---|---|---|---|
| 第59回 | 3,719人 | 1,792人 | 48.2% |
| 第60回 | 1,699人 | 566人 | 33.3% |
| 第61回 | 2,633人 | 1,083人 | 41.1% |
| 第62回 | 1,531人 | 531人 | 34.7% |
| 第63回 | 2,108人 | 878人 | 41.7% |
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最終回の第63回は受験2,108人・合格878人で、合格率41.7%でした。
医科は41.9%、歯科は32.7%です。
終盤は通算平均の30.9%より高い水準で推移しており、最後の5回はいずれも33%を超えています。
受験者数は最盛期から84%減っていた
終了の背景を最も端的に示すのが受験者数の推移です。
| 時期 | 受験者数(計) |
|---|---|
| 第21回(ピーク) | 13,232人 |
| 第59回 | 3,719人 |
| 第63回(最終) | 2,108人 |
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ピーク時の13,232人から最終回の2,108人まで、84.1%減っています。
年2回の実施で1回あたり2,000人規模まで縮小していたことになります。
医療事務の講座を持つスクールは多く、受験者の母数そのものが減っていたわけではありません。
減っていたのは「この試験を選ぶ人」で、より受けやすい他団体の資格へ流れていたと見るのが自然です。
斉藤さやかピーク時の1万3千人という数字を見ると、かつては医療事務の到達点として広く目標にされていた試験だったことが分かります。31年で役割を終えた、という言い方が実態に近いと思います。
協会が挙げた終了の理由は2つ

協会は2023年12月22日、理事長名義で試験事業の終了と解散を公表しました。
そこで挙げられた要因は次の2点です。
| 要因 | 協会の説明(要旨) |
|---|---|
| 受験者数の減少 | 近年の少子化の影響のためか受験者数は年々減少しており、事業を継続することが難しくなっている |
| 請求方法のデジタル化 | 診療報酬の請求方法が紙レセプトから電子レセプトへ変化し、骨太の方針で医療DXの推進が示され、診療報酬改定DXでも大幅な効率化が目標に掲げられている |
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協会は平成6年度から試験事業を運営していました。
31年続いた事業を、需要の縮小と業務のデジタル化という2つの理由で終えたことになります。
紙レセプトは請求件数の0.2%しか残っていない
協会が挙げた2つ目の理由は、実際の請求データにはっきり表れています。
社会保険診療報酬支払基金が公表している令和8年6月診療分の請求状況です。
| 請求形態 | 件数ベースの割合 | 医療機関数ベースの割合 |
|---|---|---|
| 電子レセプト | 99.8% | 97.6% |
| うちオンライン請求 | 99.1% | 95.3% |
| 電子媒体 | 0.7% | 2.2% |
| 紙レセプト | 0.2% | 2.4% |
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総計10,947万件のうち、紙レセプトは0.2%です。
法令面でも、請求省令第1条で診療報酬の請求は原則オンライン請求と定められています。
書面での請求は、令和6年3月31日以前から書面請求していた医療機関が期限までに届け出た場合に限られる猶予措置です。
紙で請求する現場が事実上なくなったことが、試験事業の前提を変えたと読めます。
終了した試験の代わりを選ぶなら、対応講座から逆引きするのが早いです。
現在も受けられる資格に対応した講座は現行資格に対応した医療事務講座にあります。
診療報酬請求事務能力認定試験の代わりになる資格
公式な後継資格は設けられていません。
現在も実施されている主要な医療事務資格は次のとおりです。
| 資格 | 主催団体 | 受験料 | 公表合格率 |
|---|---|---|---|
| 医療事務技能審査試験(メディカル クラーク®) | 日本医療教育財団 | 8,800円 | 非公表(累計171万人受験・99万人超合格) |
| 医科 医療事務管理士®技能認定試験 | 技能認定振興協会 | 7,500円 | 直近6回平均80.2% |
| 医療事務検定試験 | 日本医療事務協会 | 7,700円 | 対策講座の受講生で94.4% |
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いずれも受験資格を問わず、年間を通じて受験機会があります。
一方で合格率の水準は大きく違い、通算30.9%だった試験と同じ難易度帯の資格は残っていません。
そのため「難関資格を取って差をつける」という選び方は、医療事務では成立しにくくなりました。
代わりに、どの資格を持っているかよりも算定と点検を実際にこなせるかが見られる方向に寄っています。
各資格の合格率と合格基準の違いは医療事務の難易度で比較しています。
メディカル クラーク®の試験内容はメディカルクラークとはにまとめました。
診療報酬請求事務能力認定試験に関するよくある質問
診療報酬請求事務能力認定試験はもう受けられないのですか?
受けられません。
2025年12月14日の第63回が最終回で、実施団体も2026年3月31日に解散しました。
過去に合格しました。合格証明書は発行してもらえますか?
できません。
発行受付は2026年2月27日必着で終了し、それ以降に申請書が届いても発行しないと協会が公表していました。
取得済みの資格は無効になりますか?
試験が終了しても、合格した事実そのものが取り消されるわけではありません。
ただし協会が解散しているため、証明書の新規発行や受験状況の照会には対応してもらえません。
後継の資格はありますか?
公式な後継資格はありません。
現在実施されている医療事務資格は、日本医療教育財団や技能認定振興協会など別団体の認定試験です。
最後の第63回の合格率は何%でしたか?
41.7%でした。
受験2,108人に対して合格878人で、医科41.9%、歯科32.7%です。
なぜ終了したのですか?
協会は少子化による受験者数の減少と、紙レセプトから電子レセプトへの移行による医療のデジタル化を理由に挙げています。
請求件数ベースで紙レセプトは0.2%まで減っています。
まとめ|診療報酬請求事務能力認定試験は31年で幕を閉じた
- 第63回(2025年12月14日)が最終回で、協会は2026年3月31日に解散した
- 合格証明書の発行受付は2026年2月27日で終了し、以降は発行されない
- 公式サイトは現在トップページのみ残り、試験概要・試験実績のページは表示できない
- 通算実績は受験434,178人・合格134,359人・合格率30.9%(実施62回)
- 合格率は24.3%から48.2%まで振れ、平均は31.9%
- 受験者数はピーク13,232人から最終回2,108人まで84.1%減った
- 終了理由は少子化による受験者減と、紙から電子への請求方法の変化
- 公式な後継資格はなく、現行資格はいずれも合格率の水準が異なる
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