医療事務の難易度を調べると「簡単」と「難しい」の両方が出てきて混乱します。
理由はシンプルで、医療事務には主催団体の違う民間資格が複数あり、合格率が約80%のものと約31%のものが同居しているからです。
しかも最も難しかった資格は2025年12月で終了しました。
この記事では、各主催団体が公表している合格率の実数だけを並べて、どの資格がどの水準なのかを確認します。
編集部のアドバイス

医療事務には国家資格がありません。すべて民間団体が実施する認定試験なので、団体ごとに試験方式も合格基準も違います。「医療事務の合格率」という単一の数字は存在しないので、自分が受ける資格の数字を見るのが唯一正しい読み方です。講座を選ぶときも、どの資格に対応した講座なのかを先に確認してください。
医療事務の難易度は受ける資格で30ポイント以上変わる

主要な資格を、主催団体が公表している合格率で並べたものです。
| 資格 | 主催団体 | 公表合格率 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 医科 医療事務管理士® | 技能認定振興協会 | 平均80.2% | 実施中 |
| 医療事務技能認定試験 | 技能認定振興協会 | 平均79.8% | 実施中 |
| 調剤事務管理士® | 技能認定振興協会 | 平均80.8% | 実施中 |
| 介護事務管理士® | 技能認定振興協会 | 平均77.8% | 実施中 |
| 診療報酬請求事務能力認定試験 | 日本医療保険事務協会 | 累計30.9% | 2025年12月終了 |
← 横にスクロールできます →
上4つと最下段で、合格率に約50ポイントの差があります。
「医療事務は簡単」と書かれている記事は上4つを指し、「難しい」と書かれている記事は最下段を指しています。
どちらも間違いではなく、別の試験の話をしているだけです。
斉藤さやか「医療事務の難易度」で検索して混乱するのは当然だと思います。同じ職種名で呼ばれる資格が10種類近くあって、しかも国家資格が1つもない分野なので、比べる土台がそろっていないんです。
医療事務の主要資格は月ごとに合格率が公表されている
技能認定振興協会は、実施月ごとの合格率を公開しています。
医科 医療事務管理士®の直近6回分です。
| 実施年月 | 合格率 |
|---|---|
| 2026年2月 | 73.6% |
| 2026年1月 | 80.3% |
| 2025年12月 | 80.4% |
| 2025年11月 | 82.5% |
| 2025年10月 | 80.0% |
| 2025年9月 | 84.7% |
← 横にスクロールできます →
6回の平均は80.2%で、最も低い月でも73.6%です。
同じ団体の他資格も同じ水準にあります。
| 資格 | 直近6回のレンジ | 平均 |
|---|---|---|
| 調剤事務管理士® | 76.3〜85.6% | 80.8% |
| 医科 医療事務管理士® | 73.6〜84.7% | 80.2% |
| 医療事務技能認定試験 | 69.9〜86.1% | 79.8% |
| 介護事務管理士® | 73.3〜81.4% | 77.8% |
← 横にスクロールできます →
4資格すべてが8割前後に収まっています。
月による振れ幅は10ポイント強あるので、「◯%だから確実」とは言えませんが、水準としては安定しています。
受験者の規模が最も大きいのはメディカルクラーク
日本医療教育財団の医療事務技能審査試験(メディカル クラーク®)は、合格率そのものを公表していません。
公表されているのは累計の規模です。
| 項目 | 実績 |
|---|---|
| 集計期間 | 昭和49年度からの50年 |
| 総受験者数 | 171万人 |
| 合格者数 | 99万人超 |
← 横にスクロールできます →
財団は同試験を「医療事務関係としては最大規模の試験」と説明しています。
合格率は公表されていないため、この累計値から水準を推し量ることになります。
くわしくはメディカルクラークとはで試験内容まで整理しています。
合格率が8割を超える理由は「資料を見ながら解ける」から

医療事務の合格率が高い最大の理由は、試験方式にあります。
暗記量ではなく、資料を参照しながら算定できるかを見る試験だからです。
| 資格 | 受験場所 | 資料の参照 |
|---|---|---|
| 医療事務技能審査試験 | インターネット試験(監視あり) | 学科・実技ともに参考資料を見ることができる |
| 医科 医療事務管理士®(在宅) | 自宅 | テキスト・ノート等の資料や計算機を使用できる |
| 医療事務検定試験 | 自宅 | 自宅受験(期日までに提出) |
← 横にスクロールできます →
医科 医療事務管理士®の在宅試験は、問題が受験日の3日前ごろに郵送され、自宅で解答して返送する方式です。
つまり点数表を引く力が問われていて、記憶力を問う試験ではありません。
この構造が8割前後という合格率をつくっています。
斉藤さやか資料を見てよいと聞くと拍子抜けするかもしれませんが、実務そのものがそうです。点数表を引かずに算定する職場はないので、試験の形が実務に寄せてあると考えるほうが正確です。
難しさは暗記ではなく算定の手数にある
資料を見られるとはいえ、時間内に明細書を仕上げる必要があります。
医科 医療事務管理士®のインターネット試験は実技120分・学科60分です。
実技はレセプトの点検問題1問と作成問題2問(外来1問・入院1問)という構成です。
ここでつまずく人は、知識不足ではなく算定の手順が身についていないケースが多くなります。
どの資格を受けるかで、必要な勉強量が大きく変わります。
資格別に対応した講座は医療事務の通信講座8選で比べられます。
医療事務の合格基準は資格ごとに違い受験方式でも変わる

見落とされやすいのが合格基準です。
同じ資格でも受験方式によって基準が変わります。
| 資格・方式 | 合格基準 |
|---|---|
| 医療事務技能審査試験 | 学科・実技の各々の得点率が70%以上 |
| 医科 医療事務管理士®(在宅) | 実技は点検・各作成問題ごとに約60%以上かつ3問合計で約80%以上/学科は約80%以上 |
| 医科 医療事務管理士®(IBT) | 学科・実技の総合計が70%以上 |
| 医療事務検定試験 | 総得点の70%程度を基準に難易度で補正した点数以上 |
← 横にスクロールできます →
医科 医療事務管理士®に注目してください。
在宅試験は学科で約80%が必要ですが、インターネット試験は学科と実技の総合計で70%です。
在宅のほうが基準が高く、しかも科目ごとに満たす必要があります。
受験方式を選べる資格では、この差を知らずに申し込むと不利になることがあります。
最も難易度が高かった資格は2025年12月で終了した
医療事務で唯一「難関」と呼ばれていたのが診療報酬請求事務能力認定試験です。
第1回から第63回までの累計実績です。
| 項目 | 医科 | 歯科 | 計 |
|---|---|---|---|
| 受験者数 | 423,389人 | 10,789人 | 434,178人 |
| 合格者数 | 130,272人 | 4,087人 | 134,359人 |
| 合格率 | 30.8% | 37.9% | 30.9% |
← 横にスクロールできます →
43万人が受けて13万人が合格した試験で、通算の合格率は30.9%です。
ただしこの試験は2025年12月14日の第63回をもって終了し、実施団体も2026年3月31日に解散しました。
経緯と代わりになる資格は診療報酬請求事務能力認定試験の終了で詳しくまとめています。
そのため、これから受験できる医療事務の資格に「合格率30%台」のものは残っていません。
医療事務の難易度に関するよくある質問
医療事務の合格率は何%ですか?
受ける資格によって違います。
技能認定振興協会が公表している直近6回の平均は、医科 医療事務管理士®が80.2%、医療事務技能認定試験が79.8%です。
医療事務は独学でも合格できますか?
受験資格を問わない資格であれば独学で受験できます。
方法と注意点は医療事務は独学で取れるかで整理しています。
医療事務に国家資格はありますか?
ありません。
医療事務として案内されている資格はすべて民間団体が実施する認定試験です。
合格率が高いなら資格を取る意味は薄いのでしょうか?
合格率は「取りやすさ」を示す数字で、資格の価値そのものを示すものではありません。
医療事務の仕事内容と資格の関係は医療事務の仕事内容で確認できます。
どの資格がいちばん評価されますか?
評価の高さを示した公的なデータはありません。
受験者の規模では、日本医療教育財団が累計171万人・合格99万人超と公表している医療事務技能審査試験が最大です。
難易度が低い資格から受けたほうがよいですか?
合格率の水準は主要4資格でほぼ同じなので、難易度で選ぶ差はほとんどありません。
受験できる時期と受験料、対応する講座で選ぶほうが現実的です。
まとめ|医療事務の難易度は資格名まで見ないと判断できない
- 医療事務には国家資格がなく、主催団体ごとに合格率も合格基準も違う
- 技能認定振興協会の主要4資格は直近6回の平均が77.8〜80.8%
- 医科 医療事務管理士®は73.6〜84.7%で、最も低い月でも7割を超える
- 合格率が高いのは学科・実技とも資料を参照できる方式だから
- 合格基準は資格ごとに違い、医科 医療事務管理士®は在宅とIBTで基準が変わる
- 累計合格率30.9%だった診療報酬請求事務能力認定試験は2025年12月で終了した
- これから受けられる医療事務の資格に合格率30%台のものは残っていない
講座で対策する場合は医療事務通信講座おすすめ8選で比較してください。


コメント